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借地に建てた家の解体費用が払えないときの対処法と注意点2024.05.07

  • 借地に建てた家を解体しなければならない
  • 解体費用がわからない
  • 解体費用が払えない
  • 解体費用は自分が負担しなければならないのだろうか

ここでは、借地に建てた家を解体しなければならなくなり解体費が払えず困っている方へ、解体費用の相場のほか対処法や注意点を説明します。

この記事でわかること

  •  解体費用の相場価格
  •  解体費用は誰が負担するものなのか
  • 解体しないで処分する方法

借地に建てた家の解体費用が払えないときの対処法

借地契約の期間が終了したときには、借主は借地を地主に返還するか、契約を更新して引き続き借りるかを選択するのが通常の流れです。

地主に土地を返還する場合、賃貸借契約において原状回復義務が定められているケースが多く、更地にしてから返還しなければなりません。

しかし、更地にするための建物の解体費用が多額なので、払えない状況に追い込まれる借主もいるでしょう。

ここでは、解体費用の相場と誰が費用を負担するのかについて説明します。

解体費用の相場

解体費用には、人件費や重機使用料、廃棄物の処分料のほか解体後の土地の整地などのコストが含まれます。

一戸建て住宅の解体費用は家の構造や広さによって異なり、木造における坪当たりの単価はおおむね3~4万円が相場です。

鉄骨造の場合は4~6万円程度、鉄筋コンクリート造であれば5~8万円程度になるでしょう。

また、現場の条件次第では、警備員を多く配置する場合や重機が入れないために手作業が中心になるケースがあり、この場合は費用が上乗せになる可能性が高くなります。

このほか、アスベストが使用されている家の解体は費用の増額を避けられません。

解体するためには、飛散しないよう集塵や排気装置の設置など特殊な除去作業が必要なうえ、廃棄物は一般の廃材と処分方法が異なり、どうしても高額になってしまいます。

費用を抑えるためには、家具や電化製品などはできるだけ自分で処分し、庭木や雑草などもこまめに処理しておくとコストカットにつながるでしょう。

なお、家屋本体だけではなく、門扉や塀の解体のほか庭石などの撤去、物置の解体は別料金になるため、複数の建設会社による見積り合わせをおこなうと安くできます。

借主の都合で解体する場合

家の解体費用は賃貸借契約書に基づいて借主が負担するのが一般的ですが、契約内容や双方の都合により例外になるケースもあります。

ただし、借主の都合により解体する場合は、借主負担になるのが基本です。

契約更新の際に借主の意思により契約更新しないときは、借主が費用を負担して借地に建てた家を解体し更地に戻さなければなりません。

また、契約期間の途中での解約は基本的に認められませんが、やむを得ない事情がある場合には、地主と交渉したうえで借主が更地にしてから返還する必要があります。

さらに、契約期間中に借地の家を解体して新たに建て直すケースが考えられますが、このときも解体処分費は借主の負担になります。

借地にある家を増改築する際には地主の承諾が必要になり、場合によっては、地主から承諾料を求められるケースがあるので注意しましょう。

一方、地主側が借地権の返還を希望しているなど何らかの理由により、解体にかかる費用を負担してくれる可能性があります。

解体を考えるときには、費用負担の交渉も含めて、率直に地主と話し合って進めるとよいでしょう。

地主の都合で解体する場合

地主の都合で家を解体するときは、通常の場合、地主が解体費用を負担します。

賃貸借契約において、地主は、借主からの契約継続や更新に関する要求を受け入れなければなりません。

しかし、正当な事由があると認められたときに限り、借主に立ち退き料を支払ったうえで、地主が更地に戻すための解体費用を負担するケースもあります。

なお、地主の都合で契約更新ができなくなり、それが契約満了のタイミングであれば、借主は建物買取請求権を行使できます。

建物買取請求権とは、借地に建てた家を地主に時価で買い取ってもらえる権利です。

ただし、借主が地代を未払いしている場合や契約違反とみなされる行為をしているときには、地主が解体を申し出たとしても解体費用は借主の負担になるので注意してください。

家を解体しないで処分する方法

家の解体費用が高額になるため手持ち資金が足りない場合には、解体しないままで家を手放してはいかがでしょうか。

ここでは、解体せずに借地に建っている家を処分する方法について説明します。

地主に買い取りを相談

家と借地権を地主に買い取ってもらい、借地を手放す方法があります。

借地権とは、地主に地代を払ったうえで借地に建物を建てる権利です。

借主は借地借家法により手厚く保護されており、地主が借地を取り戻したいと考えている場合であれば、買い取れるのは地主にとって大きなメリットになります。

売買価格は相場に基づいて地主と交渉するのが基本ですが、借地権には明確な取引相場がないため地主との交渉が大切なポイントになるでしょう。

土地と一緒に家を買い取ってもらえるのか確認するとともに、売買は更地にしてからになるのか、解体費用はどちらが負担するのかなど条件の調整が必要です。

なお、借地権を第三者に譲る場合には、借主は地主に対し譲渡承諾料を支払うのが一般的です。

しかし、地主が借地権を買い取る場合は譲渡承諾料が発生しないため、借主にもメリットが大きいベストな処分方法といえるでしょう。

底地と合わせて売却

地主の意向を確認する必要がありますが、地主が土地を手放したいと考えているのであれば、底地とあわせて売却するのも1つの方法です。

底地とは、借地権が設定されている土地で、地主は賃借人が建物を建てるのを認めるとともに賃料を受け取る権利を持っています。

底地と一緒に借地権を売り出すと、個別に分けて売るよりも高く売却できるでしょう。

ただし、売買代金(譲渡益)の配分については、地主と借主で調整しなければなりません。

譲渡益の配分は借地権割合を基にするのが一般的で、借地権割合は国税庁が示している財産評価基準図の路線価図・評価倍率表で確認できます。

都市部へのアクセスが便利な市街地の場合には借主の借地権割合は60%程度とされており、譲渡益が1,000万円であれば借主は600万円で、地主が400万円となります。

この処分方法は、手続きが複雑になるとともに時間を要するなどのデメリットがあり、トラブルに発展するケースも考えられるので不動産業者に進めてもらうのが得策です。

また、地主や買い手との交渉内容を書面で記録するなど、十分に注意してください。

第三者へ売却

地主が買取や底地の売却に応じてくれないときには、家と借地権を第三者に売却する方法もあります。

この場合には、地主に対して譲渡承諾料を支払うほか、建物のリフォームが前提となるケースでは建替承諾料や増改築承諾料も求められるでしょう。

また、売却する家に対し住宅ローンを組めるよう、家や借地が担保になるのを地主に承諾してもらう必要があります。

ただし、地主から承諾を得られても、金融機関などが借地に対して融資してくれない場合もあるため注意が必要です。

第三者へ賃貸

家や借地権の売却が困難な場合には、第三者に貸し出す方法も考えられます。

借地に建てた家を賃貸物件として活用するのに対し法律上の問題はなく、地主の承諾も必要ありません。

大規模な改修やリフォームが発生するときには地主からの承諾を得る必要がありますが、経年劣化による壁や床の補修など軽度なものであれば借主の判断によって対処可能です。

ただし、その際にはどこまで借主の判断で実施でき、どこから地主の承諾を必要とするのか明確ではないため、慎重に取り組まなければなりません。

判断が困難な場合には、専門的な知識を持つ不動産会社に相談してアドバイスをもらう方法もあります。

しかし、地主との信頼関係を維持し大きなトラブルを回避するためにも、小さな修繕であっても自己判断ではなく事前に相談するのが大切です。

家を解体する際の注意点

解体が地主の意向でない限り、解体費用は賃貸借契約書に基づいて借主が負担するのが一般的です。

家を解体する際には、できるだけ手持ちの資金を抑えるよう取り組むとともに、地主との信頼関係が壊れないように注意しましょう。

貸主とのトラブル

賃貸借契約の終了時点において、借主は借地上にある家を解体し更地に戻して地主へ返還するよう契約書で定めているはずですが、あまり理解されていません。

このため、地主と借主との間で認識が異なり、借地に建てた家を解体するときにはトラブルが発生しやすくなっています。

また、第三者へ借地権を売却する場合も、トラブルになる可能性が高いです。

借地権を保有する家を借主が売却するのは可能ですが、地主にとって敷地は収益財産なので、売却されるのは死活問題といえます。

収益確保は、多くの地主が借地権の売却などに対し借主の行動を制限する理由の1つです。

なお、地主から求められる承諾料などは地主からの承諾を得るための費用ですが、法律で金額が定められていないため高額な請求があり、裁判になった事例もあります。

地主との交渉をスムーズにおこなううえで、専門的な知識を持つ不動産会社に同行してもらうなど、早い段階から地主へ相談して取り組むよう心がけてください。

補助金の活用

借地に建っている家が空き家になっているケースは珍しくありません。

老朽化によって危険な状態の空き家を解体する場合には地方自治体の補助制度を利用できる可能性があり、補助金を受給できると解体資金として役立ちます。

自治体によって補助金の上限額が異なりますが、工事費用の5分の4を補助している事例もあるので、建物が所在する自治体へ問い合わせてみましょう。

なお、補助金は予算に限りがあり、予算を使い切ると利用できなくなるのが一般的です。

このため、年度末などに相談するのではなく、できるだけ早めに取り組んでください。

まとめ

家が建っている借地の返還を地主が希望している場合も考えられます。

この場合、地主に家を買い取ってもらえるかもしれません。

借地にある家の解体費用に困っているときには、専門的な知識を持つ不動産会社に相談するとともに、地主にも意向を打診してみるとよいでしょう。



 

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