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任意売却で発生するハンコ代とは?
金額相場や発生するケースを紹介!
2024.10.03

●ハンコ代が何を指すのかわからない
●ハンコ代の相場がわからずどの程度払うべきかわからない
●ハンコ代は必ず発生するの?

このような悩みはありませんか。

任意売却で不動産を手放すうえで、ハンコ代を支払わなければいけないケースがあります。
事前に知っておけば、抵当権者がお金を受け取れない状態を避けられるため、任意売却に納得してもらいやすくなります。

今回はハンコ代とは何か、相場や金額の決まり方、支払うケースと発生しないケースを紹介いたします。
実際に任意売却をおこなう際の、参考にしてみてください。

この記事でわかること

●任意売却のハンコ代について
●ハンコ代の相場や費用の目安
●ハンコ代を支払うケースと必要がないケース

1. 任意売却のハンコ代とは?

ハンコ代とは、抵当権を消してもらうために、債権者に対して支払う費用を指します。
担保解除料や担保抹消承諾料とも呼ばれますが、どちらも同じ意味です。

不動産を購入するときは、基本的に住宅ローンを使います。
借り入れ先の金融機関に対して、購入する土地建物を担保に提供するように求められるのが一般的です。
債務者が住宅ローンを払えなくなった際に、金融機関は担保になっている不動産を競売にかけて、債権の金額を回収します。

不動産を担保にするときは、登記簿に抵当権が設定されるので覚えておきましょう。
反対に、抵当権を解除すれば、土地建物を差し押さえされずに済みます。

抵当権を抹消するには、債務をすべて支払うか、債権者に相談して取り消してもらうしかありません。

任意売却を検討している段階であれば、債務をすべて支払うのは難しいと思われます。

そのため、売って得たお金やハンコ代を債権者に差し出して抵当権を抹消してもらうのが、唯一の方法だと認識して良いでしょう。

任意売却とハンコ代の関係

抵当権が存在しているうちに不動産は売却できないため、先に抵当権を消してもらわなければいけません。

そこで、売却で得たお金を差し出すので抵当権を消してくださいと、相談してから売る方法が任意売却です。

第2位以降の抵当権者は、他の抵当権者が代金を回収してしまうために、貸したお金が回収できない可能性があります。

たとえば、第1位抵当権者が1,500万円、第2位抵当権者が700万円、第3位抵当権者300万円の債権があるとします。
売却で得た代金が2,200万円になった場合は、第1位と第2位の抵当権者は債権をすべて回収できますが、第3位抵当権者は1円もお金がもらえません。

そのため、債権を回収できない第3位抵当権者は、任意売却に応じるメリットがありません。
このままでは第3位抵当権者が抵当権抹消に応じてもらえないため、任意売却を納得してもらうように便宜を図るために、ハンコ代を用意します。
任意売却でお金を受け取れるのであれば、第3位抵当権者にも抵当権抹消に応じるメリットがあります。

ハンコ代を支払う後順位抵当権者について

後順位抵当権者とは、売却する物件に2つ以上の抵当権が存在している状況で、第2位以降の抵当権者です。
つまり、2番目以降に債権を回収できる人です。

第1位抵当権者が住宅ローンを提供した金融機関、第2位が他の金融機関、第3位抵当権者が貸金業を営んでいる人とします。
この場合、第2位抵当権者である他の金融機関、第3位抵当権者である貸金業者が、後順位抵当権者です。

第1位以外の債権者はすべて、後順位の抵当権者であると覚えておけば大丈夫です。
第2位以下の抵当権者は、任意売却による売却代金が少なければ、債権を十分に回収できません。

そのため、後順位抵当権者にはハンコ代を支払う可能性があります。

2. 任意売却のハンコ代の相場と金額の決まり方

ハンコ代には、相場が存在しません。
それぞれの債権者と個別に話し合って、支払い金額を決めていきます。

ただし、ハンコ代が1,000万円などの高額になるケースはほとんどないため安心してください。
1,000万円を支払わないと絶対に応じないと、第3位の抵当権者が言ったとします。
第3位の抵当権者が任意売却に応じなかったために競売になると、売却代金は少なくなります。
競売によって売却代金が少なくなると上位の抵当権者が売却代金をすべてもらってしまうため、第3位の抵当権者は代金を1円ももらえません。

競売になると担保解除料ももらえないため、担保解除料をもらえる任意売却のほうが、メリットが大きいです。
ちなみに、債権者によっては相場を提示しています。
ここでは、提示されている相場を紹介するので、支払い金額の参考にしてみてください。

住宅金融支援機構は目安を提示している

フラット35を提供している住宅金融支援機構は、後順位抵当権者に支払うハンコ代の目安を提示しています。
2番目抵当権者は30万円、3番目抵当権者は20万円、4番目以降は10万円です。

また、上記金額よりも残ったお金の10%のほうが少なければ、その金額が担保解除料となります。

ちなみに住宅金融支援機構は、自身が第1位抵当権者でないと融資をおこないません。
つまり、自分が債権を回収したうえで、他の債権者に支払うハンコ代を目安として提示しているだけです。
住宅金融支援機構が後順位抵当権者になった際に支払うハンコ代ではないため、間違えないようにしてください。

他の債権者は約10~100万が相場

他の債権者へのハンコ代は、約10〜100万円程度が相場です。
民間の金融機関のケースでは、基本的にハンコ代の相場を理解しているため、高額な費用を請求する心配はありません。
約10〜100万円程度の費用で済むと、覚えておいてください。

ただし、貸金業者やリース会社は、ハンコ代の交渉に慣れていない可能性がある点に注意しましょう。
相場を理解していないために、高額な担保解除料を要求してくるおそれがあるためです。

また、過去にトラブルが起こっている場合でも、信頼関係がないために交渉自体ができないケースにも注意が必要です。

ハンコ代の値上げを要求されたら

交渉をしてみて、上記の相場金額を提示した際に、もっと払うようにいわれるケースがあります。
普通はハンコ代の交渉をおこなう機会は多くないため、法外な費用を請求された際にはお金を払いがちです。

しかし基本的には、高額な担保解除料を無理に支払わなくても大丈夫です。
もし高額な担保解除料を要求された場合は、一度不動産会社に相談してみてください。

3. 任意売却でハンコ代を支払うケース必要がないケース

任意売却で、そもそもハンコ代がいらないケースがあります。
ここでは、発生するケースと必要がないケースを解説するため、覚えておいてください。

支払うケース

ハンコ代が発生するのは、不動産に複数の抵当権設定者がいる場合です。
そのうえで、売却代金が抵当権設定者の債権額の合計を下回ると、ハンコ代が発生します。
仮に抵当権設定者が3人いるとして、第1位抵当権者の債権額が1,500万円、第2位抵当権者の債権額が700万円、第3位抵当権者の債権額が300万円とします。
この場合は、売却代金が3人の抵当権設定者の債権額の合計2,500万円に届かなければ、後順位抵当権者に担保解除料を支払わなければいけません。

とくに需要が少ない土地や建物ならば、売却代金が少なくなりがちであるため、債務を払いきれない可能性が高まります。

ちなみに、抵当権設定者の債権額は、登記事項証明書に書かれています。
売却代金がいくらならハンコ代が発生するのか気になる場合は、権利部の乙区に書かれている箇所を確認してみてください。

登記事項証明書は、法務局の窓口やオンラインで取得できます。

支払う必要がないケース

発生しないケースは、抵当権設定者が1人しかいないか、複数の抵当権設定者がいても売却代金で債権を回収できるケースです。
債権者が1人しかいなければ、債権者同士で売却代金の配当を話し合う必要がありません。
売却代金をすべて債権者に渡せば済むほかに、引っ越し代金として一部のお金をもらえるケースもあります。

債務を払いきれなくても、残った債務をどう返済していくのかを相談できるため問題はありません。
複数の抵当権者がいても、その抵当権者の債務すべてを売却代金で回収できる場合は、ハンコ代が発生しません。
債務を払いきれるほど売却代金が十分であれば、配分で悩む必要がないからです。

先ほどの例と同様に、第1位抵当権者の債権額が1,500万円、第2位抵当権者の債権額が700万円、第3位抵当権者の債権額が300万円とします。
この場合、代金が2,500万円以上ならば、第3位抵当権者も債権をすべて回収できるため、要求される心配はありません。
とくに需要が高い土地や建物であれば、売却代金が複数の抵当権者の債権額を払いきるほど高額になる可能性があります。

4. 必要なハンコ代の支払い方法と注意点

ハンコ代は、債務者が払わなければなりません。
任意売却の場合は、ハンコ代の支払先は金融機関や貸金業者になります。

そのため支払い方法は、各金融機関や貸金業者のホームページを確認してみてください。
金融機関や貸金業者に直接、どう支払えばよいかを聞いてみるのもおすすめです。

ハンコ代を支払うときに、覚えておいてほしい注意点が2つあります。

仮差押えされている場合は優先される可能性がある

住宅ローン以外にも債務を滞納している場合は、すでに仮差押えされている可能性があります。
もし仮差押えされている場合は、売却するうえで仮差押え登記も抹消してもらわなければいけません。

仮差押え登記の抹消費用は、約10〜30万円が目安であるため、覚えておいてください。

ちなみに、仮差押えと抵当権設定どちらが先におこなわれたかによって、回収の優先度が異なります。
仮差押えをおこなったあとに抵当権を設定したケースでは、仮差押えをおこなった人が最優先です。

ただし、住宅ローンの抵当権は引き渡しと同時におこなわれるため、基本的は抵当権の設定者が仮差押えに優先されます。

相場以上の金額を要求する団体もいる

先ほどのとおり、ハンコ代の相場は約10〜100万円です。
金融機関は、この相場にしたがってハンコ代を請求します。
住宅金融支援機構の場合は、2位が30万円、3位が20万円です。

ただし、リース会社や貸金業者などは、相場以上の金額を請求してきます。
1,000万円のようにあまりにも高すぎる場合は払う必要はありませんが、第1位抵当権設定者が合意した場合は交渉に注意しなくてはいけません。
向こうが競売をちらつかせる可能性がありますが、気を強く持って交渉してください。
もし不安であれば、不動産会社に相談するのがおすすめです。

5. まとめ

任意売却のハンコ代とは、売却代金で債権を回収できない、そもそも売却代金を受け取れない抵当権設定者に支払うお金です。
住宅金融支援機構の場合は、第2位が30万円、第3位が20万円となっており、それ以外の金融機関は約10〜100万円となっています。

また、抵当権設定者が1人しかいなかったり、任意売却ですべての債権を払いきれたりする場合は、そもそもハンコ代は発生しません。



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