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代位弁済とは?リスクや任意売却との関係を解説2024.10.03

●住宅ローンの支払いができずに困っている
●代位弁済されれば借金はなくなる?
●代位弁済後は任意売却するしかないの?

住宅ローンの支払いが困難な状況になってしまい、今後どうすればよいのか不安を抱えていませんか?

この記事では、住宅ローンを滞納して代位弁済がおこなわれた際のリスクや、残債をどうすればよいのかを解説します。

任意売却と競売の違いや代位弁済との関係、売却の流れも紹介するので、一括返済を求められたときや不安があるときの参考にしてください。

この記事でわかること

●代位弁済の仕組み
●代位弁済のリスクや注意点
●代位弁済後の任意売却の流れ

1. 代位弁済とは?

住宅ローンの滞納を続けてしまうと、保証会社による代位弁済がおこなわれます。

代位弁済の時点で債務者は「期限の利益」を喪失しており、よりいっそう返済が困難な状況になる可能性があるため注意しましょう。

こちらでは、代位弁済の概要を解説します。

保証会社による残債の全額返済

住宅ローンの滞納を続けた場合、債務者に代わって保証会社が残債の全額を返済するのが代位弁済です。
通常、ローン返済が1か月から3か月滞ると、借入先の金融機関から督促状や催告状が届きます。
それでも返済を滞納し続けて3か月から6か月が経過した場合、「期限の利益喪失通知」が届き、記載されている期日までに一括返済しなければなりません。

しかし、住宅ローンの返済を滞納している人のほとんどは、残債を一括で返済するのが困難な状況です。
そのため、「期限の利益喪失通知」で指定されている期日までの返済ができなければ、代位弁済がおこなわれます。

代位弁済がおこなわれたからといって、返済の義務がなくなったわけではありません。
契約した金融機関から債権が移った保証会社によって、債務者に住宅ローン残額の一括返済が求められます。
代位弁済後に債務者が残債を一括返済できなければ、競売の手続きが進められます。
一括返済が困難で競売を避けたい場合、選択肢として検討できるのが任意売却です。

代位弁済ができない金融機関もある

代位弁済とは保証会社が債務を肩代わりする仕組みのため、保証料を支払っていなければ代位弁済はおこなわれません。

たとえば、住宅金融支援機構や一部の銀行の住宅ローンには、代位弁済の仕組みがありません。
住宅金融支援機構の住宅ローンを滞納し続けた場合、「全額繰上償還請求」が届き、債務の一括返済が求められます。
返済できなければ債権回収会社に業務が委託され、競売の手続きに進みますが、債権者が金融機関のまま変わらない点が代位弁済と異なります。

また、「全額繰上償還請求予告通知」が届いてからでは、任意売却に応じてもらえない可能性があるため注意が必要です。

現在契約している住宅ローンで保証会社を利用しているかどうかは、契約書などで確認してください。

2. 代位弁済のリスクは?

やむを得ない事情で住宅ローンの返済ができなくなった場合は、代位弁済がおこなわれますが、リスクを理解しておく必要があります。
代位弁済後のリスクを把握したうえで、どのような対策をするべきかを考えましょう。

信用情報機関に事故情報が登録される

代位弁済がおこなわれた場合、信用情報機関にその事実が登録され、いわゆるブラックリストに載った状態になってしまいます。
たとえ代位弁済後に債務の全額を返済しても、信用情報への記録に変わりはありません。

1度信用情報に事故情報が記録されてしまうと、新しいローンやクレジットカードの契約ができない可能性があります。

現在契約しているクレジットカードであっても、有効期限を迎えて更新できない可能性もあるため注意しましょう。

アパートなどの賃貸契約で保証会社を利用する場合、審査に通らないケースもあるため、任意売却などで自宅を手放して引っ越しを検討する場合は物件選びが重要課題です。

事故情報は、債務をすべて返済して5年間から10年間残るといわれており、その期間は金融機関との新しい契約に大きく影響するでしょう。
自分がブラックリストに載っているかどうかは、信用情報機関に自分の情報の開示を求めれば確認できます。

残債を一括で請求される

先述のとおり、代位弁済が完了している時点で期限の利益を喪失しているため、住宅ローンの残額を一括請求されます。
期限の利益とは金利を支払って返済を分割払いできる権利で、この仕組みが住宅ローンの返済です。
金融機関と分割払いで契約していても、代位弁済後の債権者は保証会社に変わるため、一括で請求されます。

代位弁済がおこなわれると「代位弁済通知書」が送付され、保証会社による残債の全額弁済や債務の請求、一括返済ができないときは競売に進む旨が記載されています。
もしこの時点で滞納分を返済する用意ができても、受け取ってもらえません。

また、返済が遅れた分の遅延損害金も発生し、法で定められた利率は上限14.6%のため、支払うべき額は大きく膨らんでしまいます。
遅延損害金は滞った返済への損害賠償のため、債務者は支払いを拒めません。
保証人や連帯保証人がいる場合は、そちらにも保証会社からの督促が届く点に注意が必要です。

住宅ローンの契約をしたときに保証人を立てた場合は、代位弁済がおこなわれた時点で保証人と話し合っておきましょう。

不動産を差し押さえられる

代位弁済後に債務の残額を一括で返済できなければ、保証会社が裁判所に申し立てて、不動産が差し押さえられます。
債務者には「差押通知」が届き、その約1か月後に「競売開始決定通知」が送付されたら、裁判所職員による現況調査です。

競売では最も高値で落札した人に所有権が移され、債務者は家を明け渡さなければなりません。
債務者には拒否する権利がなく、代位弁済後に何も対策を打たなければ、最終的に競売になり家を失ってしまいます。

退居日は、新しい所有者と直接交渉する必要がありますが、決裂すると裁判所によって強制執行手続きがおこなわれて退居しなければなりません。

また、競売で不動産を売却した価格よりローンの残高のほうが多いオーバーローンだった場合、自宅を失ったあともローンの残金と遅延損害金の支払いが必要です。
オーバーローンのケースでは、資産価値のある自動車などが保証会社によって差し押さえられる可能性もあります。

情報が公開される

代位弁済後に競売にかけられると、所有者の名前などは公開されませんが、物件情報が公開されます。
競売物件情報は誰でも見られる情報のため、多くの人に競売にかけられる事実が知られてしまいます。
知人などに競売物件情報を見られる可能性は少ないものの、入札を検討している不動産会社や投資家が調査に来るため、近隣に知られる可能性は避けられません。

その理由は、不動産会社は家を外から調査するだけでなく、債務者がどのような人かやトラブルがないかを近所の住民に聞き込む場合があるからです。
自宅を失うのはもちろん、近隣の人たちに競売の事実を知られるのは、多くの人にとって苦痛です。

そのため、競売を避けたいと考える人は多いでしょう。
競売を避けるには、親や親戚などに借金をして残債を一括で支払うほか、任意売却が考えられます。
ほとんどのケースで一括返済は困難なため、任意売却を検討するのが現実的といえます。

3. 代位弁済と任意売却の関係は?流れを含めて解説

代位弁済後の競売を避け、遅延損害金を抑えられる点で任意売却をする方法がおすすめです。

任意売却をおこなうには利用できる期間内に手続きをする必要があり、素早さが重要です。
ここからは、代位弁済と任意売却がどのように関わるのか、流れとともに解説します。

代位弁済後でなければ任意売却できない

住宅ローンの支払いが困難な場合、任意売却を検討するのが一般的です。

しかし、任意売却をするには返済の滞納を続けて、期限の利益を喪失している必要があります。
通常、金融機関は滞納をしていない債務者の任意売却は認めません。
なぜなら、金融機関が将来得られるはずだった金利を失い、任意売却によって債権が無担保となるからです。

そのため例外はありますが、任意売却するには代位弁済がおこなわれ一括請求されているものの、返済ができない状況でなければなりません。

代位弁済後に債権者が保証会社に移ったら、競売の入札開始日までに手続きのすべてを完了させる必要があります。
具体的には、売買契約や所有権の移転のほか、物件の引き渡しなどの任意売却に関わるすべての手続きです。
任意売却ができる期間は、代位弁済後から競売の入札が始まるまでと時間が限られています。

しかし、任意売却は競売より迅速に売却できるため、遅延損害金の金額を少しでも抑えられるメリットがあります。
競売にかけられるより、心理的な負担がかかりにくい点もメリットの1つです。
代位弁済通知が届いたら、できるだけ早く残債額を確認し、債権者に今後の返済に関して相談しましょう。

債権者にとっても競売より任意売却のほうがよい

任意売却には、債務者だけではなく債権者にとってもメリットがあります。

任意売却の場合、一般的に競売より売却額が高くなります。
競売では買主が事前に室内を確認できず、元の所有者の立ち退きがスムーズにいかないリスクや、放置された家財道具などの撤去費用が発生する可能性があるからです。
債務者にとってだけでなく、債権者にとっても安い金額での売却は、それだけ多くの債務が残る結果になるため好ましくありません。
任意売却を視野に入れたら、なるべく早く仲介を依頼する不動産会社を決めて相談してください。
任意売却は通常の売却とは異なるため、任意売却に慣れている不動産会社を選ぶとスムーズに進められるでしょう。

売却額や売却時期の見通しが立ったら、債権者に任意売却を認めてもらい、抵当権を抹消してくれるよう交渉しましょう。
債権者の同意後、不動産会社と契約し売却活動を開始してください。

代位弁済を待たずに任意売却できるケースもある

代位弁済がおこなわれていなくても、住宅ローンの返済が不可能になるおそれがある場合、金融機関に相談すれば任意売却を認めてもらえる可能性があります。
失業や病気で収入が激減したなどの理由で、今後の返済が困難になると予想され、任意売却をしたほうがよいと金融機関が判断した場合です。

そのため返済に不安があるときは、早めに金融機関に相談し、連携を取りながら進めていきましょう。
不動産会社に自宅の査定額を出してもらい、それをもとに金融機関の了承を得て、任意売却の手続きを始めます。

買主が決まったら、債権者へ売買代金分配表を提出しましょう。
売買代金分配表は仲介を依頼する不動産会社が用意し、物件概要や売却代金のほか、売却にかかる諸費用を記載します。

売却が決まって代金が支払われたら、債権者への返済と不動産の所有権の移転をして任意売却は終了です。

売却後に残った債務に関しては、債権者によって対応が異なります。
ほとんどのケースで、債権者との話し合いで月々の返済額を決定し、無理のない範囲で分割返済します。

4. まとめ

代位弁済がおこなわれるのは、住宅ローンの返済を滞納し続けて期限の利益を喪失した場合です。
代位弁済後は債権者が契約した金融機関から保証会社に移り、残債の一括返済を求められます。

一括返済ができなければ、家を差し押さえられて競売にかけられるため、任意売却で回避しましょう。
任意売却には期限があり、債権者の承諾が必要なため、できるだけ早く行動する必要があります。
競売を避けるためには、素早い対策が重要です。



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