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任意売却をするときに発生しやすいトラブル!回避策も説明2024.08.02

●任意売却でトラブルに遭いたくない
●住宅ローンの残債は任意売却で解決するのか
●トラブルに巻き込まれないための回避策を知りたい

金融機関の住宅ローンを利用してマイホームを購入したあと、何らかの事情によって借金を返済できなくなり、任意売却をおこなうケースは少なくありません。
ここでは、住宅ローンの支払いに困っている方に対し、任意売却で起こりやすいトラブルや回避策をご説明します。

この記事でわかること

●任意売却で起こりやすいトラブルの種類
●住宅ローンの残債と任意売却との関わり
●任意売却によるトラブルを回避する方法

任意売却でよくあるトラブル例

任意売却には通常の不動産取引のほかにも専門的な法律の知識が必要で、専門で扱っている業者は、任意売却専門業者や任意売却コンサルタントと呼ばれます。
任意売却は宅地建物取引業法に基づいた取引であり、コンサルタントと呼ばれていても宅地建物取引業の資格を有する不動産業者に変わりはありません。
任意売却では、依頼者の期待が高すぎたり、任意売却コンサルタントが悪質もしくは知識・経験が乏しかったりしてトラブルに発展するケースがあります。

残債が残る

マイホームを購入するときは住宅ローンを利用するのが一般的ですが、勤め先の倒産や病気などの事情によってローンを支払えない事態に陥るケースがあるでしょう。
任意売却は残債の返済に向けた、やむを得ない取り組みの1つです。
任意売却により得た売却額をローンの残債にあてますが、売却額が残債に達するとは限らず、マイホームを手放したうえで借金が残る可能性があります。
依頼者が任意売却コンサルタントより、任意売却で借金の返済を免れると説明されるトラブルがありますが、この説明は誤りです。
残債に比べて売却額が高額のときには債務が整理されますが、売却額で払いきれないときには残った借金を払い続ける必要があります。
任意売却の結果が事前の説明と異なっていても、あくまで可能性を説明したに過ぎないと開き直るなど、悪質なコンサルタントは責任をとらないでしょう。
コンサルタントに悪気はなく知識が乏しかったのが原因でも、誤った情報によって残債の返済に苦しむ結果になる方は珍しくありません。

不動産の買い手が見つからない

不動産を売りたいときは、不動産会社へ仲介を依頼して買い手を見つけるのが一般的です。
しかし、不動産会社へ依頼しても買い手が見つかるとは限らず、売り出されてから1年以上経過しても売り出されている物件もあります。
任意売却も同様で、任意売却コンサルタントに依頼しても買い手が見つかるまではマイホームを売却できません。
売り出し価格は所有者の責任で設定するものであり、所有者の意向が反映され、高い価格設定になる場合があります。
買い手は売り出し価格のほか、広さや築年数などの物件の状況とともに、立地条件と周囲の環境などを評価したうえで購入を検討します。
駅近などの好立地でもなく、築年数が経過して老朽化が進んだ物件にも関わらず、価格が高いと買い手に敬遠されてしまうでしょう。
売り出し始めても買い手があらわれないときには、通常はリフォームによって物件の価値を高めたり価格を下げたり、売れやすくなるよう何らかの対策に取り組みます。
しかし、任意売却では改修などが許されず、不良箇所が目立ったままの状態で売却しなければなりません。
価格を下げても、任意売却に取り組める期間は競売が開始されるまでの短期間に限られており、最初の売り出し価格の重要性は極めて高くなります。
悪質もしくは知識・経験が乏しいコンサルタントから、売却が難しいとのアドバイスがなく、むしろ高額での売却を勧められるトラブルがあります。
買い手があらわれないときは任意売却できずに競売につながりますが、そのような結果になってもコンサルタントは責任を持たないため注意が必要です。

リースバックできない

リースバックとは、不動産会社などにマイホームを売却したうえで、買い手から賃借してマイホームに住み続けられる仕組みです。
近年任意売却コンサルタントが、ローンの支払いに困っている方に対してリースバックによって売却後も住み続けられると勧めるケースが増えています。
しかし、リースバックが成立するのは、残債が少額なときや収入が安定しているなど極めて稀な条件下に限られます。
リースバックを依頼しても、数日後、コンサルタントから買い手が見つからないと説明を受けるケースも少なくありません。
リースバックは悪質なコンサルタントが、媒介契約を狙って誘いをかける手口の1つで注意が必要です。
なお、仮にリースバックの契約先が見つかっても、賃借料は通常の物件と比べて高額になる傾向がある点にも注意してください。

引っ越し費用が出ない

任意売却では、債権者である金融機関との交渉によっては30万円を上限に引っ越し費用を捻出してくれる可能性があります。
これは、あくまでも金融機関が交渉を受けて入れてくれる場合のみであり、少額しか出ないケースや一切の支援を受けられないケースも少なくありません。
悪質な任意売却コンサルタントが上限以上の引っ越し費用をほのめかしたり、保証されているような表現を使ったりするケースがみられます。
しかしこれは、媒介契約を結びたいコンサルタントが嘘の情報を流しているか、間違った認識による説明です。
引っ越し費用の交渉は、任意契約によって売買契約を結んだうえで債権者との話し合いをおこなわない限り進みません。
また、仮に金融機関が30万円を支援してくれても受け取れるのは後日であり、引っ越し業者に対しては先に自己資金で支払っておく必要があります。
引っ越し費用を確約するような説明をするコンサルタントは、信用しないほうが得策でしょう。

高額なコンサルティング料を請求される

任意売却は不動産売買の取引ルールに基づいており、仲介手数料は宅地建物取引業法で決められている上限の範囲内になります。
売買価格が400万円を超えるときの仲介手数料は、税抜きの上限として、売買価格の3%に6万円を加えた金額と定められています。
たとえば、3,000万円で売却するケースの仲介手数料は、高くても消費税込みで105万6,000円です。
仲介手数料のほかに、不動産コンサルティング技能士の有資格者から特別なアドバイスなどがおこなわれたときには別料金が発生します。
ただし、特別なアドバイスなどは不動産の媒介業務以外のものであり、任意売却申請費やコンサルティング料としての請求は認められていません。
任意売却コンサルタントから高額な請求を受けるトラブルがよくあるため、事前に見積りをもらうとともに、別料金の有無も確認してください。
なお、上限を超える請求をしたコンサルタントは宅地建物取引業法違反に問われ、免許取り消しや罰金などの処分を受けます。

自己破産せざるを得なくなる

任意売却コンサルタントから任意売却で残債を処理できると説明を受けると、自己破産になる危険性を回避できると安堵してしまう方が多いでしょう。
実際は、任意売却をしても売却額で残債を払いきれないときには、残った借金を払い続ける必要があり自己破産の危険性は残ります。
悪質なコンサルタントが誤った説明をして、任意売却を依頼していたのにも関わらず、結果的に自己破産に追い込まれるトラブルは少なくありません。
事前に説明を受けていれば、依頼者は任意売却の面倒な手続きをとらずに、最初から自己破産を選択した可能性もあります。
任意売却で残債をゼロにできるなどと、誤った説明をするコンサルタントには注意しましょう。

給与を差し押さえられる

任意売却コンサルタントから、督促を無視して構わないと誤った説明をされた方が、金融機関から給与の差し押さえを受けたトラブルが起きています。
住宅ローンの返済に協力的でないと、信用情報に傷が付くだけでなく、給与を差し押さえられたり任意売却を受け入れてもらえなかったりする場合があります。
給料を差し押さえられると会社に事情が知られてしまい、信頼を失ってしまうでしょう。
任意売却は金融機関の了解を得なければ取り組めないものであり、対応は慎重におこなう必要があります。

任意売却でトラブルになった際の対応法

任意売却は住宅ローンの返済に対する取り組みであり、目的の1つは競売の回避です。
売却活動が長期化してしまうと、競売の入札が始まってしまう可能性があります。
トラブルに巻き込まれたと感じたときには、競売を回避できるよう早期に対応してください。
任意売却には宅地建物取引業法とともに、民法、債権管理回収業に関する特別措置法など専門知識を必要とします。
自分ではトラブルの解決策がわからないときは、弁護士や司法書士、全日本不動産協会などの専門家に相談しましょう。
任意売却コンサルタントと媒介契約を結ぶと原則契約期間中は解除できませんが、相手に非があり、解除できる場合もあります。
また、家族に内緒にしているケースがありますが、事前に任意売却を共有しておくほうが得策です。
自分では気付けない悪質な対応も、家族と複数人で確認すれば早期に気付ける可能性があります。
任意売却の依頼先を信頼できないときには、家族に相談して問題のある対応をされていないか意見を聞きましょう。
困ったときには1人で悩まず、早めに仲間を増やしていくのが解決するうえで重要なポイントです。

任意売却でのトラブルを防ぐには

任意売却は、トラブルが発生してから問題の解決にあたるのは困難なケースが多数を占めており、媒介契約を結ぶ前の取り組みが重要になります。
とくに信頼できる任意売却コンサルタントを見極めるのがポイントであり、甘い言葉の勧誘に乗ってはいけません。
生活苦につけ込んで面談の際に僅かなお金を渡したうえで媒介契約を求めるなど、悪質な手口もあります。
知識や経験が乏しく、間違った説明が原因で大きなトラブルにつながるケースも少なくありません。
コンサルタントを選ぶ際は、複数の会社に相談し、実績が豊富な会社に依頼しましょう。
面談の際にデメリットやリスクのほか、任意売却後の残債に関して説明しない会社は信頼しないほうが得策です。
難しい点は理解できるまで質問し、わかりやすく説明してくれるコンサルタントを選びましょう。
任意売却を検討するときには緊急性が高まっているのが一般的ですが、信頼できる相手を慎重に見極めてください。

まとめ

任意売却は競売が開始するまでに売却する必要がありますが、任意売却コンサルタントへ依頼しても買い手があらわれ、ローンを完済できるとは限りません。
知識や経験が乏しいコンサルタントに依頼すると売却できないなどのトラブルに発生し、自己破産せざるを得なくなる可能性があります。
任意売却によるトラブルは解決が難しいため、不信感を感じたら早い段階で専門家や家族に相談し、慎重に取り組みましょう。



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