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任意売却で引っ越し費用が出るケースとは?交渉時のポイントを解説2024.05.07

●任意売却で引っ越し費用が出る事例と出ない事例が知りたい
●引っ越し費用を出してもらうときのポイントを理解しておきたい
●引っ越し費用を出してもらう際の注意点が知りたい

任意売却を検討しているけれども、引っ越し費用が用意できず退去できないと悩む方がいます。

ここでは任意売却の際に、債権者である金融機関から引っ越し費用が出る事例と出ない事例を述べつつ、引っ越し費用を出してもらう際のポイントを解説します。

費用を出してもらう際の注意点もあわせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

●任意売却で債権者から引っ越し費用が出される理由
●債権者から引っ越し費用を出してもらうためのポイント
●引っ越し費用を出してもらう際の注意点と対処法

任意売却の際に引っ越し費用が出るケースと出ないケース

任意売却した際に、債権者から引っ越し費用を出してもらえる場合があります。

もし費用を出してもらえれば、次の生活をうまくスタートできるかもしれません。

債権者から引っ越し費用を出してもらえる仕組みを理解して、費用が出るケースと出ないケースの違いを知りましょう。

債権者から引っ越し費用が出される仕組み

病気やケガ、失業などが原因で住宅ローンの支払いを続けるのが難しくなった場合、債権者の許可をもらって売却するのが任意売却です。

任意売却する際は、債務者は期日までにこれまで住んでいた家を退去する必要があります。

退去するまでの期間は約1か月の場合が多いですが、買主と話し合いながら日程を調節します。

しかし、住宅ローンが払えないほど生活が苦しいと、次の転居先へ引っ越しするための費用が用意できず、期日を過ぎても退去できないケースがあるでしょう。

債務者の退去時期が遅れてしまうと、任意売却が進められません。

債権者からすると、債権を回収する時期も遅くなり、大きな損害になるでしょう。

もし、引っ越し費用が用意できないまま数か月経つとやがて競売へと進みます。

競売では、居住者を強制的に退去させ住宅を売り払えるようになりますが、市場価格より約3割安くなり、債権者からすれば回収額が減ってしまいます。

債務者が無事引っ越しして任意売却を完了すれば、回収額が高くなるため、債権者が自身の取り分から引っ越し費用を債務者へ渡しているのです。

なお、債権者以外に、買主や仲介業者が引っ越し費用を出すケースもあります。

債権者から引っ越し費用が出るケース

自己資金がないほど生活に困窮しており、住宅ローンの返済が滞っているケースであれば、債権者などから引っ越し費用を出してもらえるかもしれません。

しかし、債権者や買主が引っ越し費用を出す義務はなく、あくまでも善意です。

そのため、交渉や状況によっては1円も出ないこともあります。

引っ越し費用を出してもらう基準は明確には定められておらず、さまざまな事項から総合的に見て、費用を出すかどうかを決定します。

債権者はいくらで任意売却できるか、回収できていないお金がいくらかを重要視し、想定していたよりも高く売却できれば、引っ越し費用を出してもらえる可能性が高くなります。

そのほかに費用を出すかどうかの判断材料の1つに、住宅ローンの返済期間の長さがあります。

返済期間が1年よりも10年と長ければ、その分債権者にとって利息があるため、出してもらいやすいです。

また、任意売却を進める中で連絡や書類でのやり取りがスムーズだったか、売却に対して売主が協力的に動いていたか等の姿勢も関係するでしょう。

債権者から引っ越し費用が出ないケース

近年は住宅金融支援機構を始めとして、債権者が引っ越し費用を出さない金融機関が増えています。

任意売却の引っ越し費用は原則債務者が出すものであるため、経済的な余裕があるとみなされた場合は債権者は費用を出しません。

もし現金がなくても、自動車や骨董品、貴金属、株など財物を所有している場合は、費用を出してもらえない可能性が高いです。

断られる理由として、換価価値のある資産を売れば、まとまった現金が手に入り、引っ越し費用へと充当できるからです。

債務者自身は貯蓄がないけれども、債務者以外の家族が貯蓄があると、家族が代わりに引っ越し費用を出せるとして、債権者から費用を出すケースはあまりありません。

また、任意売却した不動産の価格が想定していたよりも低いと、住宅ローンの返済へと充当する金額が少なくなり、引っ越し費用の負担に消極的になりやすいです。

そのほかに、任意売却で連絡が取れなかったり、書類に不備が多かったりすると、金融機関からの信用を得られず費用が出ないケースもあります。

任意売却で引っ越し費用を出してもらう交渉をする際のポイント

任意売却で費用を出してもらうには、債権者との交渉がポイントになります。

たとえ合理的な理由があっても、交渉に失敗すれば、債権者から費用を出してもらえない可能性が高いです。

では、交渉時にはどんなポイントがあるのかみていきましょう。

引っ越し費用の捻出ができないのを正直に伝える

引っ越し費用を出せる余裕がないのにもかかわらず見栄を張ったり、財産があるのを隠したりすると債権者から信用を得られず、費用を出してもらえない可能性が高いです。

費用が捻出できずに困っていること、余裕がないことを債権者へ正直に伝えましょう。

現在の貯蓄や生活を詳細に債権者へ説明すると、債務者の状況を理解してもらいやすく、費用を出してもらえる可能性が高くなります。

交渉するときは誠意の気持ちを忘れない

債権者と交渉する際に、債権者が引っ越し費用を出してもらうのは当然であるかのような態度をとるのは避けたほうが良いです。

債権者の心証を害する恐れがあり、たとえ合理的な理由であっても、費用を出してもらえない可能性が高いです。

債務者が費用を出してくれるのはあくまで善意であり、義務ではないのを念頭に入れつつ、誠意を持って接するのが交渉の基本になります。

任意売却の手続きにおいて、債権者に伝えたほうが良い内容は迅速に伝えて、連絡があった際はすぐに返すのを意識すると債権者からの信頼や好感度が上がり、費用を出してもらいやすくなるでしょう。

引っ越し費用の相場を理解する

たとえば、引っ越し費用が100万円かかった場合、債権者に費用を全額負担してもらうのは難しいでしょう。

なぜなら、債権者が債務者へ渡す引っ越し費用の相場は、10〜30万円だからです。

引っ越し費用は30万円以内で収まるケースがほとんどのため、債権者から費用を出してもらえれば、安心して退去できます。

引っ越しする際はいくらかかるのか業者に見積もりをとってもらうと、おおよその金額が把握できるのでおすすめです。

もし相場よりも引っ越し費用が高くなる場合は、不用品を少しずつ処分して物量を少なくしたり、自分で荷造りしたりすると費用が抑えられます。

繁忙期や土日、祝日、大安の日は引っ越しの需要が多くなり、引っ越し費用が高くなりやすいため、そのような時期を避けるのも大事なポイントです。

交渉を得意とする不動産会社へ依頼する

債権者との交渉が成功するかどうかは、任意売却を依頼している不動産会社の手腕によります。

そのため、交渉に慣れているあるいは交渉を得意とする不動産会社を選ぶのがポイントです。

任意売却に対応している不動産会社はたくさんあります。

その中でも、知識と実績が豊富な会社は債権者との交渉に慣れており、費用を出してもらいやすいです。

また、不動産会社がこれまで対象の債権者の任意売却を取り扱った経験があるかどうかも大切なポイントになります。

そのほかに、不動産会社のホームページやコラムの内容などから決める方法もあります。

なるべく高額で任意売却する

任意売却で高く売れると、取り分から引っ越し費用を出してくれる可能性が高まるでしょう。

ただし、売出価格が相場より高くなると、物件を探している方にとって割高と感じやすく、買い手がつきにくいです。

適正価格かどうかを知るためには、インターネットで類似した物件の情報を調べたり、任意売却の実績が多い不動産会社へ相談したりすると、適正価格かどうか見極められます。

特に1月と8月は不動産が売れにくい時期であり、高値で買ってくれる買主が現れにくいです。

売り出す時期も気をつけつつ、内覧もきちんと対応していれば買主が見つかりやすくなり、高値で売れる可能性が高くなるでしょう。

引越し費用に関する注意点と対処法

引っ越し費用が出るか出ないかの基準は債権者によって異なり、同じ債権者であっても状況に応じて変化します。

任意売却で費用を出してもらう際は、以下の3つの注意点を意識しましょう。

引っ越し費用がもらえるタイミングに注意

任意売却の中には引っ越し費用を100%保証し、費用の準備は不要とする場合があります。

不動産の売買では、不動産を売却してから代金を得るのが一般的です。

任意売却も通常の不動産売買と同様に、売買契約の締結後に売主が退去し、買主が家を購入して鍵を引き渡した際に代金がもらえます。

そのため、任意売却を成立させ売却して得た代金をもらうには、先に引っ越しをする必要があり、1度手元の資金から引越し費用へと充てる必要があります。

たとえ債権者から費用がもらえる場合であっても、引っ越し費用は必ず用意しましょう。

引っ越し費用の範囲はどこまで含まれるのかを理解する

現在住んでいる物件を退去する際は、引っ越し費用以外に賃貸物件に入居する際の初期費用や不用品の処分費用などがかかります。

引っ越しに関係する費用すべてが引っ越し費用に含まれているのではない点に注意が必要です。

たとえば、不用品の処分費用は可燃ごみや不燃ごみ、粗大ごみの処分で対応できるため、引っ越し費用として出してもらえない可能性があります。

また、賃貸物件に入居する際の敷金と礼金、保険料、鍵の交換代、消毒代も引っ越し費用に含まれません。

債権者ごとに引っ越し費用の見解が異なるため、どの範囲まで費用に含まれるのかを不動産会社へ確認するのがポイントです。

引っ越し費用を出してもらうのに必要な書類を用意する

債権者から費用を出してもらうには、実際に引っ越ししたときにどのくらいの金額がかかったのかを証明する必要があります。

引っ越しの実費を証明するのに領収書と見積もり書が必要になるため、紛失しないように大切に保管しましょう。

なお、一部の金融機関は引っ越し費用を定額で支払う場合があり、その場合は見積もり書や領収書の提出は必要ありません。

引っ越し費用を出してもらえる際は、引っ越しの実費を証明する書類が必要かどうかを債権者へ確認すると、いざというときに焦らず対応できます。

悪徳業者を選ばないように注意する

不動産会社の中には、「引っ越し費用が100万円もらえる」と謳っている会社があるでしょう。

実際は、高額な引っ越し費用をもらえるケースはほとんど存在せず、悪徳業者か任意売却の知識が不十分な会社である可能性があります。

「必ず引っ越し費用がもらえる」、「売却価格から余剰金を出す」などと断言している業者を選ぶのは避けましょう。

また、任意売却後に経費清算と称して、法外な費用を請求される不動産会社もあるため注意が必要です。

不動産会社を探す際は、公式ホームページや口コミなどを確認して、信頼のある業者へ依頼してください。

まとめ

自己資金がないほど生活に困窮しており、住宅ローンの返済が滞っているケースであれば、引っ越し費用を出してもらえる可能性があります。

しかし、債権者や買主から引っ越し費用を出してもらうのは善意であり、交渉や状況によっては1円も出してもらえないケースもあります。

交渉の際は、費用を捻出できないのを正直に伝える、誠意をもって接するなどがポイントです。



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