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空き家メンテナンスでは何をする?
管理の重要性と注意点を解説
2025.06.27

● 誰も住んでいない空き家は、なぜ管理しなければならないの?
● 空き家をメンテナンスするとき、どこを意識すればいい?
● 空き家のメンテナンスが負担だったらどうするべき?

誰も住んでいない空き家は、誰かが住んでいる家よりも老朽化が進みやすいため、物理的な損傷や害虫・害獣の繁殖などの問題を引き起こします。
近年、日本国内の空き家問題は深刻化しており、各自治体でも厳しい管理義務を課せられており、「どこまでメンテナンスすればいいの?」と疑問を持つ方も少なくありません。

近隣トラブルや経済的な負担を軽減するためにも、空き家のメンテナンスに関する知識を身につけましょう。

この記事でわかること

● 空き家メンテナンスの重要性
● 空き家メンテナンスの確認するべきポイント
● 空き家メンテナンスの注意点

空き家メンテナンスの重要性とは

利活用していなくても、空き家は立派な資産であり、所有者には管理責任があります。
ここでは、空き家メンテナンスの重要性を解説します。

不動産の資産価値を維持できる

人の出入りが少ない空き家は、湿気の停滞や掃除不足による害虫・害獣、カビの発生、建築資材の腐食を招き、不動産の資産価値を低下させます。
将来的に空き家を売却・賃貸・利用する予定があれば、建物の老朽化を遅らせるためのメンテナンスが必要不可欠です。

売却では、老朽化の進んだ空き家は古屋付き土地として販売され、リフォームや修繕が前提となるため、状態によっては購入希望者がみつかりにくくなります。
賃貸や居住用住宅として利用するにしても、適切なメンテナンスがされているかどうかで修繕の必要箇所は大きく変動するため、将来のために管理を徹底しましょう。

近隣トラブルを事前に回避できる

長期的に放置された空き家は、庭木や雑草が隣家に侵入したり、内部腐食による建材の飛散・悪臭などの問題が発生するため、近隣トラブルの原因となります。
景観が悪くなるだけではなく、耐久性の低い空き家は地震や台風などの被害で倒壊したり、放火や不法投棄などの犯罪現場の温床になったりするリスクが高まります。

近所に空き家があるだけでも抵抗感を示す方は多くいるため、適切なメンテナンスをしなければ、さらに近隣住民からの印象は悪くなるでしょう。
苦情・クレームを無視すると、訴訟問題に発展する可能性もあるからこそ、良好な関係性を維持するためにもメンテナンスは欠かせません。

損害賠償責任を課せられるリスクを回避できる

誰も住んでいない空き家は、湿気がこもりやすく通常よりも老朽化が進みやすいです。
地震や台風で建材が飛来・倒壊して、隣家や道路、通行人に被害が発生すると、民法717条の工作物責任によって損害賠償請求を課せられる可能性があります。
「自然劣化なら責任を問われないのでは?」と考える方もいますが、空き家の所有者に管理責任があるため、適切なメンテナンスが必要です。

相続した空き家をメンテナンスせずに放置した結果、倒壊によって死傷者を出した場合、数千万円の賠償金が請求されるケースも想定されます。
「その場にいなかったから」との理由で免責されるわけではありませんので、必ず所有者としてのメンテナンスを徹底しましょう。

経済的な負担を軽減できる

日本国内では空き家問題の深刻化にともない、2015年に空家等対策の推進に関する特別措置法が発足されました。
この法律によって特定空家に指定されて指導・勧告を無視した場合、空き家のある土地の固定資産税の優遇措置が適用されなくなるため、最大6倍の納税負担が発生します。

そのほか、空き家売却時に利用できる3,000万円控除のような減税措置も対象外になったり、修繕コストが高額になったりします。
適切な空き家メンテナンスは、ランニングコストや将来的な利活用に備えて節約するために重要なポイントです。

空き家メンテナンスはどこを確認すればよい?

空き家のメンテナンス頻度は、空き家のある場所や状態によって異なりますが、月1回以上の実施が理想的です。
ここでは、空き家メンテナンスで確認するべきポイントを解説します。

開口部

空き家メンテナンスで最も重要になるのが換気です。
建物内に湿気がこもると、カビや腐食、シロアリなどの害虫発生リスクが高まります。
空き家に着いたら、玄関や窓だけではなくタンスや棚、押し入れ、クローゼットなど湿気がこもりやすい開口部をすべて解放し、新鮮な空気を取り込みましょう。

空気を循環させると、室内の湿度が下がり、建材や家具などの湿気による劣化を防ぎます。
雨季や夏場など天気の悪い日は湿気が溜まりやすいため、湿度の低い晴れた日に1時間以上換気をおこなうのが理想的です。

外壁・屋根の劣化やひび割れ

外壁や屋根は、常に雨風や紫外線のダメージを受けるため、住宅のなかでも劣化が進みやすい箇所です。
経年劣化によって塗膜の剥離・ひび割れ、瓦のズレが発生すると、雨漏りや躯体部分の腐食の原因となるため、メンテナンス時に確認するようにしてください。

外壁・屋根の劣化サインを放置すると、耐久性の低下や美観の悪化を引き起こします。
初期段階でメンテナンスができれば、部分補修でコストも安く済みますが、状態が悪化してからメンテナンスすると大規模修繕でコストが高額になります。
高所の外壁・屋根の確認は危険なため、定期点検は専門業者に依頼してもよいでしょう。

敷地内の雑草や庭木

空き家の敷地内で雑草や庭木が生い茂っていると、景観が悪くなるほか、近隣トラブルや害虫・害獣が発生する原因になります。

とくに夏場は、太陽光で成長・増殖する雑草が、隣家の敷地内まで侵入したり、多くの害虫・害獣を呼び寄せて異臭や騒音トラブルを招きます。
秋になると、落ち葉が雨どいや排水溝を詰まらせる原因にもなるため、草刈りだけではなく落ち葉の管理も必要です。

定期的なメンテナンスがむずかしい場合は、除草剤や遮光シートを使って雑草の成長を抑えたり、庭木を伐採したりする対策も有効です。

外観の整理

空き家は、放火や不法投棄などの犯罪現場の標的になる可能性が高いため「誰も住んでいない」とわからないように対策が必要です。
大量の郵便物、カーテンのほつれ、ガラスの汚れ、閉めきられた窓などは、管理されていない家として犯罪者に狙われやすくなるので気を付けましょう。

誰かが住んでいる・管理しているとわかるように定期的なメンテナンスでは、ポストの中身や外から見える家の状態をきれいに保つように工夫してみてください。

雨どいや排水溝の詰まり

雨どいや排水溝が詰まっていて、台風や大雨で雨水がスムーズに流れなくなると、外壁や躯体部分の腐食を引き起こす可能性があります。
水はけが悪い状態を放置すると、カビやコケ、藻が発生して、地盤の劣化や耐久性の低下、害虫の繁殖につながり、空き家の劣化を促進させてしまいます。

雨どいや排水溝には、落ち葉や泥、ゴミなどさまざまな物が溜まりやすいため、スコップやブラシなどを使ってこまめに掃除するようにしてください。
高所作業や詰まりのひどい箇所は、専門業者に相談すると安全かつ効果的です。

防犯設備や鍵

空き家は、犯罪現場として狙われやすいため、空き巣や放火などのトラブルに巻き込まれないために徹底したセキュリティ対策が必要です。
メンテナンスで訪問した際には、玄関や窓の鍵がしっかりと施錠されているか、こじ開けられた跡がないかをご確認ください。

もしも、不審者が侵入しようとした形跡があれば、警察に通報して大きなトラブルに発展する前に対処しなければなりません。
また、必要に応じて防犯カメラやセンサーライト、タイマー式照明などを設置すると、不審者の警戒心を高めて防犯効果が期待できます。

空き家メンテナンスができないときの対処法

定期的に空き家を訪れてメンテナンスするのが理想ですが、遠方やスケジュールなどを理由にむずかしい場合もでてくるでしょう。
ここでは、空き家メンテナンスができないときの対処法を解説します。

管理会社に委託する

空き家のメンテナンスを管理会社に委託すると、物理的・時間的な手間を省けます。
管理会社のおもな業務内容は、次のとおりです。

● 換気
● 通水
● みまわり
● 清掃・片付け
● 郵便受けの確認 など

具体的な業務内容は、管理会社や契約プランによって異なります。
管理会社の委託費用は、月額5,000〜1万円が相場です。
ランニングコストとしては高いと感じるかもしれませんが、資産価値の低下や犯罪・近隣トラブルの予防効果を考慮すると、妥当な金額といえるでしょう。

とくに遠方に空き家を所有している場合、交通費が発生するため、プロの管理会社に任せたほうが得策です。

売却する

将来的に空き家を活用する予定がない場合、売却してもよいかもしれません。
誰も住んでいないとしても、空き家を所有しているだけで固定資産税やメンテナンス費用、管理責任が発生します。

もしも、スムーズに売却が成立すれば売却益を得たうえで、コストや管理責任から解放されるため、空き家メンテナンスを考える必要がなくなります。
相続で空き家を取得した場合、3年以内に売却すると3,000万円の特別控除が適用されるような減税措置もあるため、選択肢の1つとしてご検討ください。

空き家メンテナンスの注意点

空き家のメンテナンスでは、ただ清掃・整理整頓するだけではなく、メンテナンスする人の安全性や近隣住民への配慮が必要です。
ここでは、空き家メンテナンスの注意点を解説します。

定期メンテナンスを徹底する

空き家は、時間の経過とともに老朽化や不具合が進行するため、適切な頻度でメンテナンスが必要です。
とくに日本に多い木造住宅では、湿気や寒暖差の影響を受けやすく、躯体部分の腐食を進行させないためには早期発見が重要な鍵となります。

国土交通省の調査では、管理者がいる場合の空き家管理の頻度は月1〜数回の割合が36.4%、年に1〜数回の割合が24.7%を占めています。
空き家の状態によって推奨頻度は異なりますが、少なくとも年に1回以上の点検・メンテナンスはおこなうべきでしょう。

怪我や感染症対策をする

誰も住んでいない空き家は、ホコリやカビが蓄積されていたり、ネズミやハクビシン、猫などの害獣の糞尿が放置されていたりします。

メンテナンスで空き家を訪問する際には、カビやハウスダスト、病原菌を身体に取り込まないためにも、マスクや手袋を着用するようにしてください。
必要に応じて長袖、長ズボン、長靴、ゴーグルなどを用意しておくと、より安心です。

また、生き物が空き家に侵入していた場合、攻撃されるおそれもあるので、害虫駆除スプレーや救急道具を持参しておくと、あらゆるトラブルにも対応できます。

大きな音を出すときは近隣住民に挨拶する

空き家の草刈りや専門業者に依頼した修繕工事をおこなう場合は、騒音で近隣住民に迷惑がかかる可能性があるため、事前に挨拶を済ませておくのがマナーです。
とくに早朝や休日は、静かに過ごしたいと考える人も多くいるため、突然誰も住んでいないはずの住宅から大きな音がすると苦情やクレームにつながりかねません。

メンテナンスをする時間帯や想定される問題(騒音、異臭、振動など)を伝えたうえで、了承を得ておくと、近隣住民との関係性も良好に保てます。

まとめ

空き家のメンテナンスを怠ると、老朽化や近隣トラブル、犯罪現場のターゲットなどの原因になります。
ご自身でメンテナンスする際には、安全性と近隣住民への配慮をしたうえで、換気や清掃、点検を丁寧におこなうようにしてください。

定期的に空き家を訪問するのがむずかしい場合、管理会社への委託や売却も視野に入れながら、所有者としての責任を果たしましょう。



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