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空き家を上手に活用する方法とは?
活用するメリットや注意点を解説
2024.03.04

●空き家問題による影響は?
●空き家を上手に活用したいけどどのような方法があるのかわからない
●空き家を活用する際はどのような点に気をつけたらいい?

空き家を所有している方の中には、どのように活用すれば良いのかわからないと相談されるお客様が多いです。
空き家を活用せずにそのまま放置するのはさまざまな悪影響があるため、空き家の活用方法を知っておくと、いざというときに役立つでしょう。
今回は、空き家を所有している方へ向けて、空き家の活用方法や活用を促進する制度とサービス、活用時の注意点を解説します。

この記事でわかること

●空き家問題によりどのような悪影響を及ぼすのか
●空き家の活用方法とメリット
●空き家活用を促進するための制度や支援サービス

1.空き家問題とその影響

1年をとおして人の出入りが少ない建物で、電気やガス、水道がほとんど使われていない状態が空き家とみなされます。
2018年の総務省統計局の調査によると、日本の空き家率は13.6%と過去最大であり、空き家の数は増加傾向です。
空き家の増加によりどのような影響を受けるのかがわかると、空き家問題の深刻さがわかるでしょう。

1-1.建物の破損や倒壊のリスク増加

空き家は居住者のいる物件よりも老朽化しやすく、建物が破損・倒壊する可能性が高まります。
建物が破損・倒壊すると、通行人や近隣の住民にケガをさせたり、周辺の家屋も損壊してしまったりと事故を引き起こすリスクがあります。
また、地震や津波などの自然災害時に空き家が倒壊して道が塞がれてしまい、避難が遅れるケースもあり危険です。
実際に老朽化した空き家が強風や雨がきっかけで倒壊してしまい、隣家の外壁の一部が損壊した事例もあります。

1-2.悪臭や害虫が発生

空き家は敷地内にゴミが不法投棄されるリスクが高く、長い間放置すると問題になるのが悪臭の発生です。
シロアリやゴキブリ、ハエなどの害虫が悪臭に引き寄せられ、住み着く可能性があります。
シロアリは建物の土台や柱、壁などの基礎部分の木材を食べるため、建物の耐久性を下げる原因になり、ゴキブリやハエは近隣の家屋へ侵入するなど周囲にも悪影響を及ぼします。

1-3.地域の過疎化につながる

空き家の増加問題の背景には、都市部へ移動して暮らす方が増えてしまい、結果として住民の数が少なくなる状態があります。
地域の過疎化や高齢化が進むと、住民税をはじめとした地方税の徴収が減ります。
徴収した税金は、医療や福祉、介護サービスや道路の整備などの公共事業関係費へとあてられる仕組みです。
そのため地方税の徴収が減れば、公共施設、道路などのインフラ整備や、介護やゴミ収集などのサービス提供が難しくなり、住民の生活水準が低下します。
公的なサービスが受けられないと、都市部へ移住する人がさらに増加し、過疎化に拍車がかかるでしょう。

2.空き家活用の方法とそのメリット

相続した空き家を活用する方法は、空き家をそのまま活かすか建て替えて活かす、空き家を解体して更地にして活かすかの3つです。
それぞれの方法から、お客様の要望に合っているかどうかで選ぶのをおすすめします。

2-1.空き家をそのまま活かすケース

空き家をそのまま活かす方法として、戸建て賃貸や民泊など第三者へ貸す方法があります。
建物の解体費用がかからず、初期費用が抑えられるのがメリットです。
定期的に手入れする手間も省け、所有者や家族が再び住める選択肢も残せるでしょう。
その他に、デイサービスやグループホームなどの福祉施設として活用する方法もあります。
福祉施設の場合、運営事業者は長期間物件を借りるため、安定した収入が得られるうえに、市町村からの助成金と固定資産税の減免が受けられるのが利点です。
早く収益を得たい方、建物の手入れや維持が大変な方には、空き家をそのまま活かす方法がおすすめです。

2-2.空き家を建て替えして活かすケース

古い空き家から、新築の戸建てやアパート、マンションへ建て替えて活用する方法もあります。
新築に建て替えると設備が新しく清潔感もあり、中古物件よりも空室のリスクが少なくなります。
空き家をそのまま活かすよりも借り手が見つかりやすく、安定した収入が得られるでしょう。
住居用だけでなく、コインランドリーの経営やトランクルームの貸出サービスを実施している事例もあります。
地域によっては、トランクルームなど住居用以外の建物は建てられない地域もあるため、確認したうえで住居以外の選択肢も検討するとよいでしょう。

2-3.空き家を解体して更地として活用するケース

築年数が20年以上経過している物件や、建物の維持管理が難しい場合は、解体して更地にしてから活用する方法がおすすめです。
空き家のまま売却する方法は、更地にして売却するよりも買い手が見つかりにくい傾向があります。
例えば、新築のために土地を探している方にとっては、空き家のある土地より更地のほうが購入の優先順位が高くなります。
空き家のある土地を購入すると、解体しなければならず、費用と時間がかかるからです。
将来的に売却を検討している方や、貸地やコインパーキング、駐車場など別の形へ変えて活用したい方は、更地にする方法がおすすめです。

3.空き家活用を促進する制度と支援サービス

空き家問題を解消するために、国や自治体ではさまざまな対策を講じています。
空き家の活用を促進させるための制度や具体的な支援サービスを解説します。

3-1.空き家対策の特別措置法

空き家の活用を促進させるために、平成26年に空き家対策の推進に関する特別措置法ができました。
法律が制定されたのをきっかけに、自治体が空き家へ立ち入り調査ができるようになりました。
立ち入り調査で、空き家の所有者が空き家を適切に管理していないとみなされると、行政からの助言や指導がおこなわれます。
助言や指導を無視した場合は勧告、命令へと変わり、最後まで無視してしまうと罰金あるいは行政代執行になります。
行政代執行は行政が所有者となり、建物が解体される可能性がありますが、解体費用は所有者へ請求されるため注意しましょう。

3-2.空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例

親から相続した空き家を、相続開始日から3年を経過する年の12月31日までに売却すれば、譲渡所得から最大3,000万円の特別控除が適用されます。
空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例は、亡くなった人が居住用として使われていた家屋であるのが要件です。
その他に昭和56年5月31日以前に建てられた物件であり、相続開始直前で亡くなった人以外に居住者がいないのも要件の1つです。
控除の特例が受けられれば、譲渡所得税の支払い負担が軽減されます。

3-3.自治体によって補助金が支給される

空き家の解体や耐震工事をする場合は、自治体から補助金や助成金が支給される制度を利用するのがおすすめです。
空き家は旧耐震基準で建てられた物件が多いため、放置すると倒壊するおそれが高くなるため、多くの自治体は補助金や助成金で補修・修繕などをおこなうように促進しています。
例えば、神奈川県では、空き家の補修や修繕工事をすると10万円以上の工事につき半分の助成金がもらえます。
その他に、他の地域から転入した方が空き家に暮らす場合や、リフォーム工事をした場合で助成金がもらえる自治体もあるため、1度確認してみましょう。
ただし、助成制度には比較的新しい物件には適用できなかったり、住民税の滞納者は受けられなかったりと条件が課せられている場合があるので注意してください。

3-4.自治体が空き家を活用する方法もある

近年は空き家を備蓄倉庫や避難所へ活用する自治体が増加しています。
また、コミュニティカフェや公民館にして、地域の方との交流の場を設ける自治体もあります。
核家族化が進み、孤立している高齢者が増加しているため、コミュニティスペースがあると、知らない人と交流する機会が増えるうえ、地域の活性化へとつながるでしょう。
また、空き家を子ども食堂として利用している自治体も多くあります。
子ども食堂とは、子どもや保護者を対象に無料あるいは低価格で利用できる食堂です。
その他に、移住を推進している自治体では、移住を体験したい方用の住宅へ空き家を貸し出している場合もあるため、気になる場合は自治体の公式サイトを確認しましょう。

4.空き家活用の注意点と対策

空き家の運用は、マンションやアパートの経営と比べてリスクが高く、どのように運用するかで注意点が異なります。
本項では、空き家の運用方法ごとに気をつける点と対策法を解説します。

4-1.空き家をそのまま活用する際の注意点

築年数が長い物件であるほど入居希望者が少なくなるため、空き家のほとんどはリフォームが必要です。
床や壁紙の内装のリフォーム工事で数十万円、キッチンやトイレ、浴室などの水回りの交換で数十万円〜100万円以上はかかるでしょう。
大規模な修繕を必要とするケースでは200万円以上かかるため、リフォーム工事費用としてまとまった資金を用意しておく必要があります。
また、賃貸物件として活用すると、修理費や維持費がかかります。
空き家をそのまま第三者へ提供する際は、リフォーム代や維持費、収益とのバランスを考えるのが大切です。
福祉施設として活用するケースでは、比較的賃料が安くなり、バリアフリーにするための改修工事が必要な場合もあるのを念頭に入れてください。

4-2.空き家を建て替えて活用する際の注意点

空き家を建て替える際は、建物の解体費と新しい建物の建築コストがかかるため、空き家をそのまま活かすよりも費用が高額です。
解体費は、建物の構造や大きさ、施工内容で価格に幅があり、30坪の空き家でも150~300万円ほどかかります。
建築費も解体費と同様に、建物の構造や省エネ性能があるかどうかで価格に差がありますが、一般的な戸建てだと2,000~3,000万円が相場となります。
例えば、単身者用の4戸のアパートを建築する場合は3,000万円以上になり、戸数を増やすとさらに建築費がかかるでしょう。
空き家の解体費と建築費、解体中の仮住まいの費用をあわせた総予算と、ローン返済の支出と収益を考えつつ、無理のない収支計画を立てるのが大切です。

4-3.空き家を解体して更地にする際の注意点

更地にする場合でも空き家の解体費用がかかります。
また、空き家を解体すると建物にかかる固定資産税がなくなりますが、土地の固定資産税が最大4倍高くなる可能性があります。
住宅用地に建物が建てられていると、小規模住宅用地の特例が適用され、土地にかかる固定資産税が軽減されているからです。
しかし、建物が解体されると特例の適用の対象外になり、軽減されません。
更地は活用の仕方で固定資産税の金額が変わるため、事前に調べておくのをおすすめします。
更地にしても借り手が見つからない状態が続くと、高い固定資産税を支払い続けなければなりません。
空き家があるエリアの市場調査をしてから更地にするかどうかを検討してください。

5.まとめ

2018年の総務省統計局の調査では、日本の空き家率は13.6%であり、空き家の数は増加傾向です。
国は空き家対策の特別措置法の制定や空き家にかかる譲渡所得の特例の適用、自治体による補助金制度で空き家の活用を推進しています。
空き家を活用する方法には、空き家をそのまま活用するか、建て替えてから活用する、建物を解体して更地にする方法の3つがあります。



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