空き家を売却する際の相談先はどこ?
相談先の選び方や売却方法を解説2024.02.02
●空き家の売却はどこで相談すればいい?
●相談先は何を基準に選ぶべき?
●空き家の解体に補助金が使えるって本当?
空き家を売却したい場合、いったいどこに相談すればよいのでしょうか?
何を求めて空き家を売却するのか、そのニーズを踏まえて相談先を選べば、より満足できる取引がしやすくなります。
本記事では、代表的な空き家の相談先や、相談する不動産会社の選び方、空き家を売却する3つの方法を解説します。
また、空き家の解体に使える補助金についてもご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
●空き家を売却する際の相談先
●空き家売却を相談する不動産会社の選び方
●空き家を売却する3つの方法
1.空き家を売却する際の相談先
空き家の売却に関する主な相談先には、以下の3つが考えられます。
●不動産会社
●地方自治体
●近隣住民
それぞれ詳しく解説します。
不動産会社
不動産の取引で真っ先に連想するのは不動産会社、という方も多いのではないでしょうか。
誰も住んでいない空き家の売却であっても不動産会社に相談すれば、価格の査定や売却活動、売買契約の締結から引き渡しまで一括してしてサポート・対応してもらえます。
空き家が古いため価値を見いだせず、売れないのではないかと不安になってしまう方が多いかもしれませんが、専門知識や経験が豊富な不動産会社だからこそ見いだせる、意外な価値があるかもしれません。
ただし不動産会社に相談する際は、不動産会社の種類に注意してください。
空き家の売却に関する相談に適している主な不動産会社の種類は、以下の通りです。
●不動産仲介会社
●不動産買取会社
●総合不動産会社
それぞれ詳しく解説します。
不動産仲介会社
不動産仲介会社とは、不動産を売りたい人と買いたい人を引き合わせ、取引を仲介する業務を中心におこなっている不動産会社です。
専門的な知識が必要となる不動産取引を円滑に進めるため、物件の調査や、契約に関するさまざまな事務作業を代行し、サポートします。
不動産会社と聞いて思い浮かべるのは、この不動産仲介業者ではないでしょうか。
空き家を売却する際は、その空き家の価格を査定し、購入を希望する買主を探してくれます。
仲介会社に空き家の売却を依頼した場合、報酬として仲介手数料を支払う必要があります。
金額は空き家が売れた価格の割合で決まるため、高く売れれば売れるほど仲介手数料も高くなると考えて良いでしょう。
不動産買取会社
不動産の買取を専門におこなっている会社です。
空き家の売却を仲介会社に依頼する場合は、購入を希望する買主を募集して探す必要があります。
しかし不動産買取会社は自社が直接空き家を買い取る形になるため、スピーディーに売却できる点が強みです。
一方、仲介に比べると売却価格が安くなってしまう傾向があり、6〜8割程度になるケースが多くなっています。
そのため、時間をかけずに空き家を処分したい場合や、できるだけ早く売却代金を受け取りたい場合に適している相談先と言えるでしょう。
空き家の老朽化が激しく、そのままの状態での売却が難しい場合にも、不動産買取会社であれば問題なく買い取ってくれるケースが多いのでおすすめです。
1-1-3.総合不動産会社
総合不動産会社とは、仲介や買取などの一部の業務に特化した会社ではなく、あらゆる業務を総合的に扱っている不動産会社です。
たとえば、先ほど紹介した仲介や買取をおこなう一方、管理委託の請負や、賃貸物件の経営もおこなっている、というイメージです。
さまざまな業務を手掛けているからこそ、空き家の売却に関しても柔軟な対応が可能なため、こちらのニーズに適したサポートを提供してくれます。
ご自身の中で仲介で売りたい、買取で売りたい、などの明確な答えがない状態で、どうすればいいか一緒に考えてほしい、どういった売り方が適しているかを教えてほしい、という場合には総合不動産会社がおすすめです。
地方自治体
あまり一般的ではないかもしれませんが、自治体によっては空き家に関する相談窓口が設置されています。
空き家をどのように活用すればいいのか分からない場合や、空き家を地域に活用してほしい、などの相談を受け付けていますが、売却したい場合にも相談が可能です。
空き家の売却に強い地元の不動産会社や、空き家の処理に活用できる補助金や支援制度を紹介してくれる可能性があります。
どの不動産会社に相談すればいいのかわからない場合や、公的な支援制度を積極的に活用したい場合には、有効な相談先となるでしょう。
近隣住民
意外に思われるかもしれませんが、近隣住民、特に隣家に相談してみるのも1つの方法です。
隣接している土地を購入すれば今よりも敷地が広がるため、より広い家に建て替える、敷地内に別棟を建てる、などのニーズを持ち合わせている場合、空き家の購入に興味を示してくれるかもしれません。
仮にその隣人に購入する意思がなかったとしても、他に興味を示しそうな近隣住民や、空き家の売却で苦労した方を紹介してもらえるかもしれません。
あるいは、信頼できる地元の不動産会社を紹介してくれる可能性もあるでしょう。
2. 空き家売却を相談する不動産会社の選び方
空き家売却の相談先として、不動産会社を選ぶ方は決して少なくないでしょう。
ですが世の中には不動産会社が無数にあり、一体どこに相談していいのか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。
そこでここからは、空き家の売却を相談する不動産会社の選び方を、いくつかご紹介します。
空き家に強い不動産会社を選ぶ
多くの場合、不動産会社には主力となる業務があります。
たとえば、仲介業務を主力としている会社であれば、物件の調査や買い主の募集などを得意としている可能性が高いでしょう。
知識が豊富で実績が多いほど単純に信頼できますし、逆に知識も経験も少ない会社であれば、必要以上に売却価格を下げてしまったり、あるいは買い手を探し出すのさえ難しいかもしれません。
そのためできる限り、空き家売却の実績が豊富な会社を選ぶのがおすすめです。
空き家の売却に慣れているほど、空き家の状態を適切に把握し、より的確な査定を出してくれる可能性が高まります。
空き家がある地域に強い不動産会社を選ぶ
空き家がある地域での売買実績が豊富で、地域の相場や住宅事情などに精通している不動産会社を選ぶのがおすすめです。
いくら大きくて知名度のある不動産会社でも、空き家のある地域の相場や実情を把握できていなければ、的確な価格で売却するのは難しいでしょう。
不動産の価格には地域ごとに相場があり、相場はさまざまな要因によって日々変化しています。
地元に強く、取引の実績が多い不動産会社であれば、日々の活動を通じて地域の相場を把握できている可能性が高いです。
地域の強い不動産会社であれば、空き家周辺の交通アクセスや商業施設の有無、賃貸需要の高さなど、売却価格に影響するさまざまな情報を熟知しているでしょう。
場合によっては、地域の開発計画なども把握している可能性もあります。
開発計画によって将来的な土地の需要向上が見込めれば、よりよい価格で売却できるかもしれません。
ニーズに沿った不動産会社を選ぶ
より高い値段で売却したい、できるだけ早く処分したいなど、自身のニーズに沿って不動産会社を選ぶのも大切です。
できるだけ早く売却したいのなら、仲介による売却は避けるべきです。
買い主を募集し、探し出す必要があるため、その分だけ売却までに時間がかかってしまいます。
その場合は売却価格こそ低めになってしまいますが、よりスピーディーに取引できる買取会社を選んだほうが良いでしょう。
逆に、いくら時間がかかってもできるだけ高く売りたいのであれば、不動産買取会社は適していません。
市場価格での売却が可能な、仲介での取引を検討したほうが良いでしょう。
上記のような明確なニーズがなく、どのような手段で売却すべきか迷っている場合には、さまざまな売却手段を持っている総合不動産会社への相談がおすすめです。
このように、ニーズに適した不動産会社を選べば、より適切なサポートが受けられやすくなります。
何を重視して空き家を売却したいのか、相談先を決める前にご自身の考えをまとめてみるのも良いでしょう。
3. 空き家を売却する3つの方法
一言で空き家の売却といっても、以下の通りいくつかの方法があります。
●建物ごと売却
●リフォームして売却
●建物を解体して売却
空き家の状況や土地の需要などによって、方法による売却しやすさは変化するため、適した方法を選択するのが重要です。
ここからは、上記3種類の売却方法について解説します。
建物ごと売却
空き家をそのままの状態で売却する、もっともシンプルな方法です。
具体的には中古住宅として売る方法と、古家付き土地として売る方法の2種類に分けられます。
空き家の状態が良く、そのままでも住める状態であれば、中古住宅として売却が可能です。
修繕やリフォームが必要な場合、費用は購入した買主の負担となります。
そのため建物に不具合が発見された場合は、その分だけ売却価格が低下する可能性があるので、注意してください。
古家付き土地とは、築年数が古いなどの理由で、ほとんど価値が認められない家が建っている状態の土地を指すため、買い手は建物の解体を前提に土地の購入を検討できます。
解体が必要な分だけ売却価格も低くなりますが、土地を必要としている方に訴求しやすくなる点がメリットです。
いずれの方法も空き家に手を加える必要がないため、費用をかけずに売却できる点が魅力と言えるでしょう。
リフォームして売却
古い空き家を新築同様にリフォームしてから売却するのも、方法の1つです。
リフォームによって建物としての魅力が増し、空き家のままよりも売れやすくなる可能性があります。
一方で、リフォームは工事内容によって大きな費用負担が発生する可能性があるので、注意が必要です。
場合によってはリフォームによって販売価格が相場よりも高くなり、かえって売れにくくなってしまう可能性もあります。
意外とリスクの大きい売却方法なので、検討する際は不動産会社にも相談しつつ、慎重に判断したほうが良いでしょう。
建物を解体して売却
空き家の状態が悪く、資産価値や利用価値が認められない場合、建物を解体して更地にしたほうが売れやすくなる可能性があります。
古家付き土地として売却する場合、買主は建物の解体する手間とコストをかける必要があり、その分だけ売れにくくなってしまいがちです。
ですが売主の負担であらかじめ建物を解体して更地にしておけば、買主は余計な手間が省け、購入してすぐに土地を活用できます。
古家付き土地での販売のように売却価格を下げる必要がなくなりますが、建物の解体に費用がかかる点がデメリットです。
対策として、売買契約が成立してからの解体が認められる「更地渡し」を利用するのも良いでしょう。
建物がなくなった土地は固定資産税が6倍に増えてしまうので、解体後すぐに引き渡せる更地渡しは、節税という意味でも有効です。
4. 空き家の解体に活用できる補助金もある
近年さまざまな自治体で、空き家解消を進めるための補助金制度が整備されているのをご存知でしょうか?
うまく活用すれば、よりお得に空き家を売却できるかもしれません。
もっとも利用しやすいのは、空き家の解体に使える補助金でしょう。
多くの自治体で補助金制度が用意されているので、空き家がある地域の情報を確認してみてください。
ただし、補助金には利用条件が設定されています。
まずは条件を満たしているかを確認してみてください。
具体的な補助内容は自治体によって異なりますが、解体費用の2分の1から5分の1程度を補助してくれるケースが多いです。
また、補助金には上限が設けられている場合が多く、自治体によって20万円から100万円など、かなりの開きが見られます。
利用を検討する際は、あらかじめ上限額を確認しておいたほうが良いでしょう。
リフォームに関する補助金もさまざまな自治体で用意されていますが、リフォーム後の家に自分で住む、賃貸物件として利用する、などの条件が設定されているケースが多いです。
売却以外の方法での対応も視野に入れている場合に、利用を検討するのが良いでしょう。
5.まとめ
空き家の売却についての相談先は、不動産会社、自治体、近隣住民の3つが代表的です。
相談する不動産会社を選ぶ際は、空き家に強いか、その地域に強いか、自身のニーズに沿っているかを基準に検討しましょう。
空き家はそのままの状態で売却するだけでなく、リフォームして売却する、更地にして売却する方法もあります。
解体して売却する際は、解体に使える補助金の活用も検討してみてください。