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不動産売却時の固定資産税は誰が支払うのか?
清算金の計算方法なども解説
2026.01.27

● 不動産売却を考えているが、固定資産税は誰が支払うのか?
● 固定資産税の額をあらかじめ知っておきたい
● 固定資産税の清算金とは何か?

固定資産税は不動産所有者が毎年納付しますが、不動産売却時はどういった扱いになるのか知りたい方は多いでしょう。
ここをおさえておかなければ、不動産売却時に必要以上の清算金の支払いを求められる事態を招きかねません。

固定資産税の清算とはどういったものか、基本的な知識から税額の計算方法、またよくあるトラブルもあわせて解説していきます。

この記事でわかること

● 固定資産税と清算の基本知識
● 自分で算出できる固定資産税の計算方法
● 清算時のトラブル事例と回避策

不動産売却時の固定資産税は誰が支払う?知っておきたい基本知識

固定資産税を毎年納付していても、いざ不動産売却となったときの固定資産税は誰が支払うのか知らない方は多いでしょう。
ここでは不動産売却時の固定資産税は誰が支払うのか、また固定資産税に関しての基本知識を整理していきます。

そもそも固定資産税とはどういった性質の税金か?

固定資産税とは、土地・家屋のほか、償却資産など所有する固定資産に課される税金で、対象資産の評価額に応じて税額が算出されます。
毎年1月1日の時点で所有している方が納税義務者となり、資産が所在する各市区町村(東京23区は都)に納める地方税です。

固定資産税は使い道を定めていない普通税として扱われ、学校や公園、道路など公共施設の整備や、介護や福祉など行政がとりしきるサービスにも使われます。

通常は誰が固定資産税を支払うのか?

納税義務が発生するのは固定資産を所有している個人および法人です。
総務省のホームページによると、2023年度は土地で4,167万人、家屋では4,255万人、償却資産の場合は490万人が納税をおこなっています。

固定資産の所有者となるのは、土地・家屋の場合は登記簿に所有者登録されている人です。
登記簿への登録がない場合は、土地補充課税台帳か家屋補充課税台帳への登録がある人が所有者とみなされます。

また、事業用の構築物や備品などの償却資産については、償却資産課税台帳へ所有者として登録がある人が納税します。

対象となる固定資産の種類は?

課税対象は、土地・家屋・償却資産の3種類です。
まず土地は、家屋の建つ住宅地はもちろん、農園などの田畑、温泉地のある鉱泉地が代表的な対象となります。
他にも池沼や山林・原野、牧場など、利用状況を問わず対象となる土地があるため、確認が必要です。

家屋に関しては住宅以外に、店舗や工場、倉庫なども対象に含まれます。
償却資産は事業者所有の構築物や、飛行機・船舶・車両や運搬具なども対象となるほか、工具やパソコンなどの備品も該当するため、事業用物件の売却時は、注意が必要です。

都市計画税との違いは?

都市計画税は、都市計画区域にある土地・家屋に課せられる税金です。
都市計画区域とは、都市計画を決める際に定めた都市としての範囲を指します。
市街地を起点として郊外にある山林や田園など広い範囲で、人の流れや物流を見てこの先の都市の発展を見越して指定されます。

都市計画税は普通税である固定資産税と異なり、使い道が決まっている目的税で、土地区画整理事業にあてられる税金です。
固定資産税とあわせて納付するのが一般的ですが、物件の所在地によっては課税されない場合もあります。

不動産売却時には誰が固定資産税を支払うのか?

固定資産税は先述のとおり、1月1日時点での所有者に納税の義務が生じますが、売却した場合、住んでもいない家の税金を払わなければいけません。

しかし、売却後の機関まで売主が負担するのは公平性にかけるため、一般的には売主・買主双方での話し合いにより税額の負担割合を決めていきます。
その際多く取り入れられているのが、日割り精算で、引き渡しの日以降の固定資産税は買主負担として、その税額を買主が法的に納税義務者である売主へ支払うのが通例です。

固定資産税の金額はどう決まる?計算方法と課税の仕組みを解説

固定資産税の支払いは、高額になるケースが多いため、あらかじめどのくらいの額になるのかがわかっていれば、売却プランの立案に役立ちます。
では、自分でできる固定資産税の計算方法や仕組みを解説していきましょう。

固定資産税額はどうやって計算するのか?

固定資産税額は、毎年市区町村から送られてくる納税通知書に記載されていますが、通知が来る前に税額を知っておきたい場合は、以下の式で算出可能です。

固定資産の評価額=(課税標準額)×1.4%(標準税率)

自治体で標準税率が異なる場合があるため、市区町村のホームページなどを見て確認しておきましょう。

固定資産の評価額と課税標準額

計算の基礎となる評価額は、3年に1度の「評価替え」で見直されます。
正確な評価額を知るには、固定資産課税台帳や納税通知書と一緒に送られてくる課税証明書、より詳細な税額が記載された「公課証明書」を取得するのが確実です。
評価額はそのまま課税対象となるのではなく、軽減措置の適用などで評価額が変わるケースもあります。

土地の固定資産税の求め方

固定資産税額は土地と家屋をそれぞれに求めますが、まず土地に関しては以下のとおりです。

土地の固定資産の評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

評価額の目安は、地価公示価格のほぼ70%とみておけばいいでしょう。
地価公示価格とは国土交通省の土地鑑定委員会が公示する全国約26,000地点(令和5年)で判定した1㎡あたりの正常な価格で、不動産鑑定などの規準となります。

建物の固定資産税の求め方

建物の場合は以下の計算式です。

課税台帳に記載されている価格×1.4%(標準税率)

建物の場合、再建築価格か再構築価格をもとに評価額が計算される仕組みで、計算式は次のとおりです。

建物の評価額=単位当たりの再建築費評点×経年減点補正率×床面積×評点1点当たりの価額

建物で使われている建材や構造、また用途や築年数などから再建築費評点数を出し、標準的な建物の基準との差異を数値化して現在の正常な額を求めます。

固定資産税は減額できる?

固定資産税には2つの軽減措置があります。

まずは住宅用地の特例で、敷地面積200㎡以下の小規模住宅用地に家を建てた場合、固定資産税で6分の1、都市計画税で3分の1の軽減措置の適用が可能です。
もう1つが家を新築した場合に適用される軽減措置で、対象は2024年3月31日までに建てられた物件となり、固定資産税が50%に軽減されます。

ただし居住部分が50㎡から280㎡までの物件の120㎡以下の部分が対象です。
一戸建てで3年間、マンションでは5年間と、住宅の種類によっても措置を受けられる条件が変わってきます。

固定資産税等の清算金はどう算出?精算方法と金額決定の流れ

清算金は「いくら支払うか」だけでなく、「どのように決めるか」のプロセスが重要です。
不動産売却時には売主と買主との間で、固定資産税の支払いに関しての話し合いがおこなわれ、それぞれの負担額を決めるのが一般的です。
この清算金の決め方を、ここでは解説していきます。

固定資産税等の清算金とは?

固定資産税等の清算金は、不動産売却時に対象となる不動産に課されているその年の固定資産税・都市計画税を、買主が売主に支払うお金を指します。
不動産を購入した場合は買主がその年の固定資産税のいくらかを負担し、売主へ支払うのが通例です。

法的に規定はされていませんが、不動産業界では商慣習となっており、ほとんどの場合、売買契約書に条項として記載されています。

なお、税務上の注意点として、買主から受け取る清算金は「税金の還付」ではなく「売買代金の一部(譲渡対価)」とみなされます。
売主の譲渡所得を計算する際、売却価格に含める必要がある点を忘れてはいけません。

清算金はどうやって計算する?

固定資産税等清算金の計算方法は、引き渡しが実際に完了した日を基準として、その前日までが売主、引き渡し完了日を含めたそれ以降を買主が日割りで負担します。

また固定資産税を清算する場合、起算日の設定は地域により異なります。

● 関東圏など:1月1日を起算日とするケースが多い
● 関西圏など:4月1日(会計年度開始日)を起算日とするケースが多い

起算日が異なれば負担額も変わるため、解約前に必ず確認してください。

では引き渡し日が8月1日で、起算日が1月1日、固定資産税10万円で設定したケースで、実際に計算をしていきましょう。
売主が負担するのは1月1日から7月31日までの212日分で、負担額は10万円×(212日÷365日)で58,082円です。

一方、買主が負担するのは、引き渡し日の8月1日から12月31日の153日分で、同じく負担額は10万円×(153日÷365日)で41,918円となります。

精算までの流れ

固定資産税等の清算の流れは以下のとおりです。

1. 納税義務者(売主)の確認:公課証明書などで最新の税額を把握
2. 清算条件の決定:起算日や日割りルールを合意
3. 日割り計算:引き渡し日に合わせた正確な金額を算出
4. 決済・引き渡し:売買代金とともに清算金を受領
5. 納税:売主が自治体へ全額を納付(納税通知書による納付)

売主と買主の双方が、清算条件とともに支払日や流れも確認しましょう。

固定資産税の精算でよくあるトラブル事例とその対策方法

固定資産税の精算時には少なからずトラブルのリスクがあります。
お金に関する事柄であるため、買主・売主ともになるべく費用を抑えたい気持ちが働くためです。

ここでは固定資産税の精算時によくあるトラブルの事例と、その対策方法を解説していきましょう。

決算日の認識相違

固定資産税の清算金は、引き渡し日を境に日割りをして算出します。
その起点となるのが起算日で、この起算日の認識が売主と買主で違う場合がありトラブルに発展するケースが少なくありません。

地域をまたぐ取引や、遠方の不動産会社が介在する場合、認識が漏れる恐れがあります。
売買契約書には起算日の記載がありますが、それを知らずに契約する方もいます。

契約前に、売買契約書に起算日が記載してあるか、必ず自身の目で確認してください。

引渡し日当日の負担区分

固定資産税の清算は引き渡し日が境となり、その前を買主、それ以降を売主が負担するのが一般的です。
そうは言っても、引き渡し日の当日分に関しては、買主・売主ともに負担したくないのが本音です。
双方の意見が分かれると、お互いに譲らず交渉が長引くケースもあります。

そのため、清算金の負担割合には引き渡し日も含めて契約書に明記し、あいまいな部分を排除してトラブルを防ぎましょう。
不動産会社に話し合いの仲介を頼むのも1つの案です。

納税通知書の紛失

正確な清算には、市区町村から送られてくる最新の納税通知書が不可欠です。
しかし売主が納税通知書を紛失する事例もまれにあります。
その場合、評価額や税額を正確に把握できないため清算金額があやふやとなりトラブルへつながる可能性があります。

納税通知書は再発行できないため、管轄の市区町村で固定資産税評価証明書や土地家屋課税台帳の写しなどの「公課証明書」を発行してもらいましょう。

その他の注意点

トラブルを防止するためには不動産会社と綿密なやりとりをしておく必要があります。

たとえば固定資産税の清算金も、額だけ伝えてもらうのではなく、清算がどういった意味を持ち、どのような流れで進行するのかも説明を求めなければいけません。

また固定資産税の清算は法的には義務ではないため、買主の承諾を得られない場合がある点は理解しておく必要があります。
買主が負担を拒否すれば、売主は引き渡し後の固定資産税も負担しなくてはいけません。

不動産売却時には清算金を双方で負担するのが慣行である旨を伝え、買主の承諾を得てください。

まとめ

不動産を所有すると固定資産税を納付しなければいけませんが、売却する年の固定資産税に関しては、売主と買主の両者で負担するのが一般的です。
具体的には引渡し日より前を売主が、引き渡し日よりあとは買主が負担します。

起算日の設定や引渡し日の負担をどちらがするのかなどのトラブルも少なからずあります。
不動産会社に依頼して、売買契約書に清算に関する詳細な項目を記載し、円滑な不動産売却を目指しましょう。



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