不動産売却の税金はいつ払う?
種類と節税のコツを徹底解説2026.01.23
● 不動産を売却したら、税金はいつ払う?
● 確定申告はしないといけないの?
● 税金の計算方法が難しくてわからない
売却額は決まっていても、実際にどの税金がいつ発生するのかを正しく理解していないと、手元に残るお金が予想より少なくなってしまうケースもあります。
また、相続した不動産や贈与を受けた土地などを売る場合、取得費がわからないといった悩みも多く聞かれます。
本記事では、おもな税金の種類・支払いのタイミング・節税のコツをわかりやすく解説するので参考にしてください。
この記事でわかること
● 不動産売却で発生するおもな税金の種類と仕組み
● 税金の支払い時期・確定申告までのスケジュール
● 節税できる特例や売却タイミングのポイント
はじめに
不動産を売却すると、多くの場合は譲渡所得税をはじめとした税金が発生します。
不動産売却の税金はいつ払うのか、またどのような種類があり最終的にいくら必要になるのかを把握していないと、売却後の資金計画が大きく狂うおそれがあります。
このようなトラブルを避けるには、売却前から税金と納付時期のイメージを持っておくのが重要です。
本記事では、不動産売却で発生する税金の種類と支払い時期、相続や贈与を受けた不動産を売る場合の注意点に触れながら、節税につながる特例や売却タイミングもあわせて解説します。
不動産売却時に発生する税金とは?種類と適用のポイントを解説
不動産を売却する際には、契約書作成時に発生する税金と、利益が生じた場合にあとから課される税金があります。
これらの税金が売却手続きのどの段階で発生するのか、金額の計算方法や適用条件を事前に把握すれば、無駄な負担を避けられるでしょう。
ここでは、不動産売却でよく登場するおもな税金の種類を整理し、それぞれの特徴や注意すべきポイントを詳しく解説します。
不動産売却時にかかる譲渡所得税とは
不動産を売却すると、売却価格から購入時の取得費や仲介手数料などの諸経費を差し引いた譲渡所得が発生します。
この譲渡所得に課される税金を譲渡所得税と呼び、売却益に対する代表的な税金です。
譲渡所得税は単独の税ではなく、所得税・復興特別所得税・住民税の3つを合わせた総称になります。
所有期間によって短期譲渡(5年以下)と長期譲渡(5年超)に分かれ、税率が異なります。
たとえば投資用物件では高税率が適用されやすい一方、居住用不動産なら特例で負担軽減が可能です。
さらに、マイホーム売却時の3,000万円特別控除や買い換え特例を利用すれば、課税対象額を大幅に減らせます。
こうした制度を活用するには、売却前に所有状況を確認し、特例の適用要件を満たすのが肝心です。
所得税・住民税・復興特別所得税の内訳と税率
譲渡所得税の内訳は、国税である所得税(譲渡所得の約15~55%、累進課税)と復興特別所得税(所得税額の2.1%)、地方税の住民税(一律約9%)で構成されています。
合計で短期譲渡所得なら39.63%、長期譲渡所得なら20.315%が標準税率です。
所有期間は売却をおこなった年の1月1日時点で、5年超の長期譲渡では税負担が軽減される仕組みです。
とくに居住用財産を10年以上保有し売却する場合、長期譲渡でも14.21%の軽減税率が適用され、数千万円の売却益で数百万円の節税につながります。
住民税は翌年の6月頃に自治体から通知され、所得税・復興特別税は確定申告後に納付します。
不動産売却時にかかるその他の税金
譲渡所得税以外では、売買契約書に貼付する印紙税(契約金額1万円未満なら非課税、1億円超なら6万円)と、所有権移転登記時の登録免許税(固定資産税評価額の2%、軽減措置で1.5%の場合あり)が発生します。
印紙税は不動産売買契約特例として2027年3月31日まで軽減されており、5,000万円超1億円以下の契約なら3万円と低額です。
契約書を複数作成すると税額が増えるので、原本1通で済ませる工夫が必要です。
課税対象になるケース・ならないケースの違い
課税対象は譲渡所得のプラス・マイナスで決まり、売却価格<取得費+譲渡費用なら譲渡損失が発生し、税金はゼロになります。
また、マイホームの3,000万円控除適用で課税所得が消滅するケースも非課税です。
損益通算や繰越控除を使えば、給与所得などと相殺可能で、災害復旧住宅の売却は最大5,000万円控除が受けられます。
一方、投資物件や短期売却は課税されやすく、空き家特例(3,000万円控除、相続後特定期間内)などの条件を満たさないと負担が増すのでご注意ください。
不動産売却の税金はいつ払う?納付時期とタイミングを詳しく解説
不動産を売却して得た資金から差し引かれる税金は、取引が成立したその場で即座に支払うものではなく、翌年以降にまとめて納付する仕組みです。
ここでは、売却発生から最終納付までの時系列スケジュール、誰が確定申告をおこなうべきかの明確な基準、納付の具体的な日付と手続き方法、万一の資金ショート時の現実的な対策までを段階的に解説します。
不動産売却から納税までの全体スケジュール
不動産を売却した年について、その年分の譲渡所得税(所得税・復興特別所得税の合計)は、売却した翌年の2月16日から3月15日までの確定申告期間中に計算し、一括で納付します。
その後、住民税は売却した翌年の6月頃に居住地の自治体から納税通知書が郵送され、原則として4回に分けて納付する仕組みです。
具体例として、2026年7月に不動産を売却した場合には、2026年末までに売買契約書、購入時の領収書、固定資産税評価証明書、仲介手数料の明細などを揃え、1〜2か月かけて譲渡所得の試算表を作成しておくとスムーズです。
確定申告が必要な人・不要な人の基準
譲渡所得が発生し、3,000万円特別控除や買い換え特例適用後も課税対象額が残る場合、または譲渡損失を給与所得と損益通算・翌年繰越したい人は確定申告が法的に義務付けられます。
会社員・公務員でも年末調整は給与所得のみカバーするため、不動産売却益があれば無条件で申告が必要です。
一方、マイホーム売却で3,000万円控除により課税所得が完全消滅、または純粋な譲渡損失のみ(通算希望なし)のケースは申告不要です。
また相続空き家特例(相続後3年10か月以内、3,000万円控除)や障害者控除適用者は申告書提出で住民税軽減措置を受けられます。
税金を支払う具体的な時期と支払い方法
所得税・復興特別所得税は、確定申告書を提出する際にあわせて納付をおこない、その時点で納税が完了するのが一般的です。
住民税は、不動産を売却した翌年の6月末頃に届く納税通知書に基づき、同年の6月・8月・10月およびその翌年1月の合計4回に分けて均等に納付します。
納付方法は複数あり、金融機関窓口(納税通知書を持参)、コンビニエンスストア、クレジットカード(手数料2.18%で最大24回払いに対応)、e-Taxを利用した口座振替、さらにPayPay・au PAYなどのQRコード決済を利用可能です。
自治体によっては、納付書が自動で郵送される場合と、マイナンバーカードを窓口で提示して納付書を発行してもらう場合があります。
事前に居住地の市区町村の税務課ホームページで手続き方法を確認しておきましょう。
納税資金が足りない場合の注意点と対処法
納付期限超過で初回延滞税2.4%(申告期限から2か月)、以降年8.7%(3か月超)〜14.6%(1年超)が日割り加算され、数か月無視するだけで税本体を上回るケースもあります。
最終手段として財産差押え・銀行口座凍結・督促状連発の悪循環に陥ります。
即時対処法として、税務署に分割納付申請(担保不要、審査1~2か月、月1~2万円刻み可)、物納申請(現物資産充当)、または住宅金融支援機構・地方銀行の納税遅延融資(金利1.0~2.5%、不動産担保可)を活用しましょう。
相続や贈与を受けた不動産を売却した場合の税金と注意点
相続や贈与によって引き継いだ不動産を売るときは、通常の購入物件とは取得費や所有期間の取り扱いが大きく異なり、税額計算のルールも変わってきます。
ここでは、相続不動産と贈与不動産それぞれの特例や計算方法、取得費不明時の具体的な対応策を解説します。
相続した不動産を売却する場合
相続で取得した不動産の譲渡所得は、被相続人(亡くなった方)の取得費と譲渡費用をそのまま引き継ぎ、売却価格から差し引いて計算します。
この方式により、被相続人の長期間の所有実績が反映され、5年超の長期譲渡所得として税率20.315%(所得税15%+復興特別税0.315%+住民税5%)の低率適用が受けやすくなります。
さらに節税特例として、相続税の取得費加算(支払った相続税の最大50%・850万円限度を加算)や、被相続人居住用財産特例(相続発生から3年10か月以内の空き家売却で3,000万円控除)といった、節税効果の高い制度が用意されているため頭に入れておくといいでしょう。
贈与された不動産を売却した場合
贈与不動産売却時も贈与者の取得費・所有期間を引き継ぐため、贈与者が長年保有していた物件なら長期譲渡低税率(20.315%)が適用され有利です。
ただし、贈与後すぐに高額売却すると時価による贈与とみなされ、贈与時点の時価と贈与額の差額に贈与税(最高55%)が課される危険性があります。
親族間ではとくにみなし贈与税(売却価格-時価の差額に対する贈与税)になりやすく、適正価格(公示地価・基準地価)を基準に契約書を作成をしましょう。
取得費がわからない場合の計算方法と注意点
古い不動産や相続時の資料紛失で取得費が不明な時は、売却価格の5%を概算取得費として譲渡所得を算出(例:5,000万円売却→250万円控除)します。
ただし相続・贈与では被相続人・贈与者の資料調査が優先されます。
代替法として①市街地価格指数補正(購入時指数÷売却時指数×推定購入額)、②固定資産税評価額(土地分重視)、③登記簿謄本・増改築履歴からの推定、④国税庁(標準建築価額表)で建物は再評価が有効です。
不動産売却時に税金を節約するポイントと無料相談の活用法
不動産売却時の税金は制度を巧みに活用すれば大幅削減が可能ですが、条件見落としで本来の節税機会を逃すケースが少なくありません。
ここでは、主要な特例・控除の詳細、節税効果の高い売却タイミング、専門家への無料相談の具体的な活用ステップを順に解説します。
不動産売却で使えるおもな特例と控除制度
マイホーム売却の特例は居住用財産の3,000万円特別控除で、居住実績があれば譲渡所得から一律3,000万円控除され、利益4,000万円でも課税ゼロを実現できます。
同一住宅の複数回適用不可で、過去3年以内の売却歴も必須です。
買換え特例、被相続人居住用財産特例、災害復旧住宅特例も併用不可のため優先順位付けが肝心です。
申告書B表に売買契約書・住民票除票・固定資産税納税通知書を添付し、事前承認不要で即時適用されます。
節税につながる売却タイミングと所有期間
所有期間5年超移行で短期譲渡(39.63%)から長期譲渡(20.315%)へ税率半減するため、取得5年目1月1日以降の売却を厳守しましょう。
居住用財産10年超保有+居住後3年以内売却で軽減税率14.21%適用、相続空き家は相続日+ 3年10か月以内、贈与物件は贈与税申告後1年以内の特例優先タイミングを狙うのがおすすめです。
損益通算希望時は12月31日までに売却完了しましょう。
税理士・不動産会社への無料相談がおすすめ
不動産を売却する際、税金の負担を軽くするためには、早い段階で専門家へ相談するのがおすすめです。
税理士や不動産会社の無料相談を活用すれば、譲渡所得の計算方法や特例の適用可否、必要経費として認められる範囲などを具体的に確認できます。
自己判断で進めると、本来使えた控除や軽減措置を見落とす可能性があるので、第三者の視点を入れると無駄な税負担を防ぎやすくなります。
まとめ
不動産売却では、譲渡所得税を中心にさまざまな税金が関係し、納付時期は売却直後ではなく、確定申告時や住民税の納税時期に違いがあります。
不動産売却の税金はいつ払うのかを正しく理解し、相続や贈与を受けた不動産の売却時に使える特例・控除を上手に活用するのが大切です。
節税につながる所有期間や売却タイミングを踏まえつつ、必要に応じて税理士や不動産会社へ無料相談をおこなえば、資金計画のブレや思わぬ税負担を抑えやすくなります。
