不動産売却の平均期間は?
早期売却する方法・売れない場合の対処法を解説2025.05.01
● 不動産の売却期間ってどのくらいが一般的なの?
● 早期売却を叶えるためにはどうすればいい?
● 売却期間が長引いている場合の対策を知りたい
不動産売却を検討中、もしくは今もうすでに売り出している人にとって、物件が売れるか否かは大きな問題です。
とくに、平均的にどのくらいの期間で物件が売れるかがわかれば、売りに出している条件や価格を見直すべきか、このまま反応があるまで待ってもいいのかがわかります。
今回は、不動産売却の平均期間や、適正な期間を経て不動産を売るためのコツを見ていきましょう。
この記事でわかること
● 不動産売却にかかる期間の全体像
● 早期売却を叶えるためのポイント
● なかなか買い手がつかない場合の対策方法
はじめに
不動産売買における取引は、平均して3〜6か月ほどで決着するケースがほとんどです。
もちろん、物件の条件次第では半年〜9か月と場合によっては時間がかかるケースもありますが、どれだけ長くなっても1年以内に決着すると考えていいでしょう。
ところが、不動産取引のすべてが、思うようなタイミング、思うようなペースで売れるとは限りません。
むしろ、売れないからと焦って値下げに踏み切らざるを得ない場合や、買主との交渉の場において値下げを要求され下げざるを得ないようなケースもあります。
売り手の立場に立てば、1円でも高く売りたいのが本音です。
そうした売主の希望を叶える不動産売却を実現するには、売却手続きにどのくらいの時間がかかり、期間が長引く要素は何か、長引いた場合の対策方法を知る必要があります。
不動産売却にかかる「期間」の全体像
不動産売却は平均的に次のような流れで進んでいきます。
目安となる期間は3〜6か月で、長くとも9か月ほどになると考えてください。
所要期間と売却にかかるステップ、注意点と手続きをスムーズに進めるためのポイントは以下の通りです。
所要期間 | ステップ | 注意点&スムーズに進めるポイント |
2週間~1か月 | 売却する家の相場を調べる | ・不動産会社の査定を見極めるべく 売主自身で相場を把握しておく |
査定を依頼する | ・1社だけではなく最低でも2~3社に 見積りを出してもらう | |
不動産会社による物件の調査 | ・簡易(机上)査定より訪問査定を 選び高い査定が出るようにする | |
媒介契約締結 | ・必要書類は事前に揃えておく | |
3か月ほど | 売却活動開始 | ・内覧を受け付けるなど積極的に 家を売るために動く |
売買契約の締結 | ・必要書類は事前にそろえておく | |
1~2か月 | 引き渡し | ・ローン審査が並行しておこなわれる 審査が通らない場合に備える |
また、物件の種別によっても売却までの期間は変わるといわれています。
とある調査では、マンションが売りに出してから6か月くらいで売れるのに対し、一戸建ては11か月ほどかかるそうです。
最後の引き渡しについては、売主よりも買主と金融機関の判断になりますが、売買契約を結んでから1か月ほど期間があくのが一般的と考えてください。
売主と買主以外にも、不動産会社や金融機関が関わっているために、諸手続きに時間がかかるケースがあるのです。
不動産の売却期間を左右する主な5つの要因
不動産売却にかかる期間に関わる要因は大きく分けて5つあります。
1つの要因に対して対策するだけで、スムーズに不動産が売れる可能性もあるでしょう。
不動産の売却価格
一戸建てでもマンションでも、相場価格を無視した値付けはおすすめできません。
もちろん、高く設定しすぎれば買い手がつかなくなるのは簡単に予想できます。
そして実際は、安くしすぎても逆に警戒されてしまうのが一般的です。
高すぎる値付けは嫌煙されるうえに、「どうしてこんなに安いのだろう」と、買い手を不安にさせるような根拠のない値付けは失敗のもととなるでしょう。
適正価格で売りに出し、明確な根拠が添えられる値段だと買い手にも納得感があります。
売りに出す時期
一般的に不動産売買市場は新生活がスタートする4月に向けた1〜3月と、人事異動の多い9〜11月に活況を見せるといわれています。
逆をいえば、上記に該当しない時期に売りに出してもそもそも買い手が市場に集まっていない可能性があるのです。
同じ物件情報が数十人に見られるのと、数百人に見られるのとでは、売却スピードが変わってくるのは言うまでもありません。
もし、売却に際して時間的猶予があるなら売りに出す時期を工夫してみましょう。
不動産の状態
手入れの行き届いた不動産は、比較的すみやかに買い手がつきやすいです。
古めかしい見た目がそのままになっていたり、清潔感とは程遠かったりする物件は、買い手側も積極的に動いてくれないでしょう。
不動産の資産価値は築年数や立地、設備の状態で決まります。
築年数や立地については売主がいくら努力しても変えられませんが、設備の状態については売主次第でアップデートも可能です。
何かを新しく買い替えなくとも、きちんと手入れが行き届いているなと感じられる物件はそれだけで大きな魅力を備えています。
住宅ローンの支払い状況
不動産売却時はローンの完済もセットで求められるため、ローン残債はない状態が理想です。
売却益によって支払いが完了できるケースでも問題ありませんが、それでもローンが残ってしまうケースについては対処が必要となるため売却期間も長引きます。
ローン残債にあてられる現金が手元にある、高値で売れる可能性が高まっているといった状態でなければ売却期間はどんどん伸びていってしまうでしょう。
住宅ローン残債は、売却時にはほとんどないような状態が理想的です。
不動産の所有形態
売りに出す不動産をどういった経緯で所有しているかも、売却期間に影響を及ぼします。
結論、相続や離婚といった背景がある不動産売買は長引きやすいです。
誰かと名義を共有している場合も同じで、簡単にいえば売却手続きにおける意思決定に複数の人間が絡むと、意向をまとめるのに時間がかかります。
とくに、相続や離婚で揉めているとなると、不動産を売りに出せるスタートラインに立つのが容易ではありません。
早期売却を叶えるための4つのポイント
不動産売却において早期売却を実現するには、およそ4つのポイントがあります。
売りに出した不動産が偶然素早く売れたというよりは、売れるにはそれなりの理由があるため、早期売却を狙うなら以下の点に注意しましょう。
内覧時の対応について見直す
適正価格で不動産市場の繁忙期に売りに出しているにも関わらずなかなか売れない場合は、内覧時の対応でミスをしている可能性があります。
内覧時に求められるベストな対応として、買主の要望に応えながら物件の魅力を存分にアピールする必要があるでしょう。
内覧時は、自身が生活する居住空間をつまびらかに見せる必要があります。
クローゼットの中は見られたくない、掃除が行き届いていない部分があるようでは買主の心象があまり良くありません。
物件の魅力の裏付けも取れないため、買主の買いたい気持ちを後押しできないでしょう。
内覧時は、買主に良い印象を抱いてもらえるようなふるまいを意識してください。
情報収集や必要書類の準備を事前に進める
不動産売却は、売りたい物件がどのくらいで売れているのか、相場はどのような推移を見せているかなどといった情報が重要です。
理想的な売却価格を追求するのも結構ですが、やはり早期売却を目指すなら平均相場は無視できません。
また、手続き書類についても準備に時間がかかるケースがあります。
不動産売却に乗り出すと決めたなら、エリアの不動産取引情報や、必要となる書類の準備は早めに進めましょう。
売りたい不動産やエリアにおける実績が豊富な不動産会社を選ぶ
不動産売却が成功するか否かは、パートナーとなる不動産会社の実力にも大きく影響されます。
エリア情報に精通し、似たような物件の売買実績が豊富にある不動産会社であれば、売るための引き出しが豊富です。
なるべく高く売りたいと考える売主の要望も汲み取りながら、売れないときの打開策も提示してくれるでしょう。
何より実績があれば、取引する買主にとっての安心材料にもなります。
つまり、不動産取引における実績が豊富な不動産会社を選んだ方が、早期売却につながりやすいでしょう。
売り方の選択肢が豊富な不動産会社を選ぶ
早期売却をゴールに設定するなら、複数のサービスを提供する不動産会社と契約を結ぶのがおすすめです。
不動産会社のなかには、仲介事業と買取事業といった2つの業態を取り入れているところがあります。
仲介販売とは、不動産情報を登録して買い手を募り、内覧を経て契約に結び付ける販売形態です。
一方、不動産買取は買い手が不動産会社になるため、買主を探す必要がなく、売却が成立すればその場で不動産を手放せます。
仲介業務のみをおこなう不動産会社と取引をしたのち、売れないからといって買い取りを検討すると別の不動産会社を一から調べなければなりません。
ところが、買取事業も手がける不動産会社であればそうした探す手間はいっきに省けます。
また、そうした2つの業態を手がける不動産会社は豊富な知見を有しており、不動産売買におけるさまざまな判断能力にも長けているでしょう。
売りに出した不動産が売れない場合でも、どのタイミングで仲介から買い取りに切り替えるべきか、対処法についてアドバイスがもらえる可能性が高いです。
売却期間が長引く場合の対処法
不動産売却において期間が長引く場合は、傍観したり下手に粘ったりせず、きちんと対処する必要があります。
とくに、売り出し価格についてはすぐに見直せるポイントです。
ポータルサイトでの検索シーンを想定しても、価格で絞り込みをかけられているために検索に引っかかってこないような状況はよろしくありません。
売却期間が長引く不動産に対して、おすすめの対処法を紹介します。
平均相場を意識した根拠のある適正価格に見直す
不動産売買において、不動産の値付けは非常に重要です。
買主に嫌悪される物件は、不動産を売りに出す価格の根拠がありません。
平均相場とかけ離れた値段をつけて売りに出してしまうと、買主にとっても納得感がないため売却期間は長引きます。
査定の情報やご自身で調べたデータをもとに平均相場を読み解き、適正価格に見直しましょう。
不動産が売れやすいタイミングに再度売りに出す
売りに出すタイミングを調整できるなら、不動産が売れやすい時期に再度売りに出すようにしましょう。
前述の通り、不動産市場が活発に動くのは4月に向けた1〜3月と、人事異動が多くなる9〜11月です。
物件情報は、より多くの人に見てもらえる時期に投入するに限ります。
すでに売りに出しているが売れない、売れない現状に対して何かアドバイスがもらいたい場合は、一度売りに出すのを辞めて再度売り出すとよいでしょう。
不動産仲介ではなく不動産買取に切り替える
不動産仲介で売却を狙っているものの、なかなか買い手が付かない場合は買い取りも視野に入れましょう。
不動産買取で物件を売却すると、売却価格は通常どおりに売った場合の8割ほどです。
普通に売る場合と比較しても安くなるのは否めませんが、その代わり、売れればその場ですぐに不動産を現金化できます。
不動産売却における期間のゴールがあるなら、不動産買取も視野に入れてください。
まとめ
不動産売却にかかる平均期間は早くて3か月、長くとも半年〜9か月の間には決着します。
立地もよく、築年数も比較的新しいにも関わらず売れない場合は、売りに出す値付けが相場と乖離していたり、内覧時の対応が悪かったりと何らかの理由があるでしょう。
意味もなく売れない不動産はありません。
早期売却を目指すなら、事前準備を進めながら販売力があって実績豊富な不動産会社を選ぶようにしましょう。
なるべくスムーズに売りたいなら買い取りも視野に入れてみてください。
パートナーとして選ぶ不動産会社も仲介事業と買取事業の2形態を取り入れている会社だと、移行手続きややり取りがスムーズです。