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不動産売却後も住み続けられるリースバックとは?
メリットと税金を解説
2025.04.22

● 住み慣れた家から離れたくない
● ローンの返済は厳しいが自宅を売りたくない
● 不動産売却後に住み続けられる方法を知りたい

住宅ローンの返済や家庭の事情によって、自宅の売却を余儀なくされた方のなかには「売却後も住み続けたい」「愛着のある家から離れたくない」といった方もいるでしょう。

本記事では、不動産売却後に住み続ける方法であるリースバックのメリットやデメリット、費用はどうなるのかを含め、売却後に住み続ける選択はリースバックだけかについて解説します。

この記事でわかること

● リースバックとはなにか
● リースバックを利用するメリット・デメリット
● 不動産売却後にリースバック以外で住み続ける方法

不動産売却後も住み続ける方法とは?「リースバック」の基礎知識

不動産を売却しても住み続けられる方法として、リースバックが挙げられます。
ここでは、リースバックの仕組みや、リバースモーゲージとの違いについて解説します。

リースバックの仕組み

リースバックとは、所有している不動産を売却し、その代金を取得しながら売却した不動産に賃貸借契約をして住み続けるものです。

リースバックを運用する事業者には、不動産会社やファイナンス会社があり、対象物件もさまざまです。
住宅はもちろんですが、オフィスビルや事務所などもリースバック対象となっています。

通常の売却や賃貸化とは異なり、売主は売却後に現金を手にしながらも自宅に住み続けられるため、家を手放したくないが現金が必要な方に利用されるようになりました。
家には住み続けられますが、不動産の所有権はリースバック会社に移行します。

リバースモーゲージの違い

リースバックとよく似た仕組みに、リバースモーゲージがあります。

リバースモーゲージは、家を担保にお金を借り入れできる金融商品です。
所有権は移動しませんが自宅を担保にするため抵当権が設定され、返済ができなければ退去しなければなりません。
万が一、契約者が死亡した場合には一括返済する必要があるため、所有権の相続はできない仕組みになっています。

一方で、リースバックは契約者が死亡すれば、賃貸借契約が解除となり、不動産会社の持ち物として売却されます。

リースバックのメリット

リースバックにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
不動産売却後に住み慣れた家で生活ができるなら、リースバックを利用したいと考える方もいるはずです。

ここでは、リースバックのメリットについて解説しています。

引っ越しの必要がない

リースバックでは不動産売却後に引っ越す必要がないため、生活環境を変えずに現金を手に入れられるメリットがあります。

高齢者の場合には、入居できる物件も少なく、住み慣れた自宅から知らない土地への引っ越しはストレスになるでしょう。

お子さんがいる家庭では、学区が変わると生活環境だけでなく友達とのお付き合いにも支障が出るケースがあります。
リースバックなら自宅を売却したと近隣住民に知られずに、住み慣れた家で今までどおりに生活が送れます。

税金の支払いなどの負担が減る

所有した不動産には毎年固定資産税などの税金がかかり、経年劣化による修繕や保険料など諸経費が発生します。

リースバックによって発生する費用は家賃や管理費のみとなり、大きな負担が一気になくなります。
保険料や諸経費については、不動産会社やリースバック業者によって異なるため、賃貸借契約の際に確認しておきましょう。

資金確保が早い

セカンドライフ資金のために不動産売却を検討する方もいますが、住み慣れた土地から離れたくない方も多いでしょう。
高齢者がいる家庭では引っ越し自体が負担になり、踏み切れないケースもあります。

また、急に現金が必要になった場合にも、銀行でローンを組まなくても資金確保が早く、活用内容を問われる心配もありません。
一般的な売買と比較すると手続きに時間がかからず、ストレスなくスムーズな取引が可能になります。

資金の活用範囲が広い

リースバックは長期的な住宅ローンの返済や老後資金の確保など、さまざまな資金として活用されています。
住宅ローンが定年後も継続する場合には、負担を軽くするためにリースバックを利用すれば、返済の不安から解放され快適な生活を取り戻せるでしょう。

また、セカンドライフ資金として退職金を残しておきたい場合、リースバックで住宅ローンを返済し手元に現金を残せます。
教育資金や相続対策として、リースバックで財産を現金化するなど、使い道はさまざまです。

ローンの返済から解放される

雇用期間が延びたとはいっても、病気やけがで働けなくなれば住宅ローンの返済が難しくなってきます。
不動産売却後にリースバックを利用すれば、このような返済の不安から解消され、住み慣れた家で生活を続けられます。
売却して手に入れた現金は、生活費に充てたり支払いに使ったりと自由に使えるため、不安を抱えたまま生活する必要がありません。

リースバックのデメリット

リースバックは不動産売却後に住み続ける魅力がありますが、忘れてはいけないのはデメリットの存在です。

ここではリースバックのデメリットを解説するので、検討中の方は参考にしてみてください。

売却価格が相場より低くなりやすい

リースバックは、家賃の滞納リスクや買い戻し特約が設けられるため、リースバック会社は自社の所有物件として売却ができません。

そのため、売却価格は相場よりも低く設定されやすく、手元に渡る現金は少なくなります。
高額売却を希望する方には、満足いく金額にはならない場合もあるため注意が必要です。

賃貸期間が限られているケースが多い

売却後も住み続けられる点がクローズアップされてしまいますが、契約に関しては普通賃貸借契約と定期賃貸借契約があり、多くが定期賃貸借契約を採用しています。
住宅が良い状態の期間に売却すれば、不動産会社やリース事業者もコストをかけずに儲けられるからです。

リースバックは慈善事業ではないため、賃主側も損をしないように考えています。
不動産会社やリース事業者によって、どちらを採用しているかはわからないので、事前に調べておく必要があります。

家賃が発生する

不動産売却後には現金が支払われ、賃貸借契約を結ぶとリースバックが開始されます。
住宅ローンの残務を返済すれば、毎月の支払いはなくなりますが、賃貸借契約によって家賃が発生します。

家賃の相場は売却価格で決められるため、安易にリースバックを決めてしまうと後悔する場合もあるでしょう。
リースバックは住み慣れた家で暮らせるメリットはありますが、買取をしない限り家賃の支払いは継続されます。

今後のライフプランを計画し、無理のない資金確保をしておくのも大切です。

リースバックの費用と税金

リースバックで不動産売却した代金は譲渡所得税の対象ですが、控除の対象となるため結果的には高額な税金の支払いは必要ありません。

しかし、不動産登記に必要な印紙税や登録免許税などが発生するので、リースバックの費用や税金に関してもあらかじめ調べておく必要があるでしょう。

ここでは、リースバックを利用した際の費用や税金についてまとめました。

譲渡所得税

不動産の売却金額に対して、課されるのが譲渡所得税であり内訳は所得税と住民税です。

譲渡所得の計算式は「譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用」となります。
不動産購入時に費用がかかるように、売却する際にも税金がかかります。
資産価値によって税金は異なるため、詳細は不動産会社に尋ねてください。

その他の費用

不動産売却の場合、リースバックの買取価格に応じた分の収入印紙が必要です。

登録免許税は不動産登記の際に支払う税金となるため、買主である不動産会社・リースバック事業者が納税します。

消費税については自宅の売却には課税されませんが、事務所やビルなどをリースバックする場合には発生します。

賃貸物件となったあとには、固定資産税の支払いは買主負担となりますが、売却年の1月1日から不動産売却した日までは、売主負担となるため注意が必要です。

節税対策

リースバックの節税対策として、最高3,000万円の特別控除の特例があります。
売却金額が3,000万円以下であれば、譲渡所得税となり税金を大幅に低減できます。
マイホーム譲渡の軽減税率の特例が適用されるのは、住宅の所有期間が10年以上している場合です。

軽減税率の特例と特別控除の特例と併用できるため、節税対策として活用してください。

リースバック以外の「売却後も住み続ける」選択肢

リースバックは永久性がなく、売却価格が低い点から迷う方も少なくありません。

リースバック以外の選択肢があれば検討してみたい、比較してみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、その他の選択肢としてリバースモーゲージと不動産担保ローンをご紹介します。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージは金融機関や社会福祉協議会が取り扱いしている貸付制度です。

リースバックは不動産売却後に、賃貸借契約を結び家賃を支払って住み続ける方法ですが、リバースモーゲージは自宅を担保に借り入れします。
借入本人の死亡時に、不動産を処分して返済する仕組みのため、セカンドライフ資金を必要とする高齢者向けの商品です。
マイホーム購入のローンは定年後にも継続されるケースが多く、生活への不安からリバースモーゲージへの借り換えをする方が増えています。

自宅を資産として残したい場合には、リースバックよりもリバースモーゲージがおすすめです。
毎月支払うのは利息のみのため負担も少なく、所有者が亡くなったあとは借入金を返済して資産として残せます。
住み慣れた自宅を売却したくはないが、まとまった資金が必要な方には便利な商品です。

不動産担保ローン

自宅を担保にして金融機関から借り入れするのはリバースモーゲージと同じ仕組みですが、不動産担保ローンは借入金利が低く、借入期間も融通が効くため無理なく返済できます。
金額も大きいのが特徴で、使途に制限がないため、リフォームや教育資金などに利用可能です。
金融機関によっては団体信用生命保険に加入できるため、通常のローンと同じように利用する方もいます。

ただし、借入金額が大きくまとまった資金が必要な場合には便利に思えますが、リースバックやリバースモーゲージとは異なり、審査に時間がかかるのがデメリットです。
不動産を担保にするので、返済が滞れば自宅は競売にかけられてしまいます。
所有者が死亡した時点で売却するリバースモーゲージとは違い、存命中でも支払いができなければ自宅を失ってしまいます。
不動産を担保にお金を借りて住み続ける仕組みのため、審査を受けて通過するまでに時間がかかり、必ずしも融資が受けられるわけではありません。

売却後も住み続ける方法としてはリスクが大きいため、資金が必要な理由をよく考え選択しましょう。

まとめ

不動産売却後も住み続けたい、愛着のある家を手放したくない方に向いている不動産の活用方法がリースバックです。

しかし、高齢者のなかには、住み慣れた土地から離れたくない、味気ない賃貸物権で余生を過ごしたくないと考える方もいるでしょう。

また、買い戻すつもりで一時金を受け取るなら、リースバックが向いています。
売却価格は低くても、自宅を売却したくない理由があるのなら、メリット・デメリットを理解し冷静に判断しましょう。



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