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底地と借地の違いとは?売買にかかる税金や注意点も解説2024.03.04

●底地と借地はどう違うの?
●売買にかかる税金を詳しく知りたい
●売買で注意するべきポイントは?

土地には所有権があり、地主から見た土地を底地、借地人から見た土地を借地と呼びます。
ここでは、底地と借地の違いや売買の際に必要な税金を詳しく解説します。
また、売買の際に注意しなければいけないポイントも紹介するので、トラブル回避に役立ててください。

この記事でわかること

●底地や借地の売買で発生する税金
●底地や借地の譲渡所得の控除や税金対策
●売買での注意点

1.底地と借地の違い

地主(底地の所有者) 借地人(借地権を持つ方)
関係性 土地を借地人に貸す 土地を地主から借りる
戸建て住宅などを建てる
借地権の売買時 借地人より承諾料を受け取る 地主に承諾料を支払う
底地の売買 購入者(買い主)が見つかれば可能 売却によって地主が変わったあとでも、借地の契約期間内であればそのまま住み続けることも可能
固定資産税/都市計画税 土地に対する固定資産税/都市計画税 建物に対する固定資産税/都市計画税

「底地」と「借地」は同じ土地を指します。
土地の所有者(地主)から見ると「底地」であり、借りる人(借地人)から見ると「借地」です。

1-1.底地

借地権が設定されている土地を「底地」と呼び、「他の人に貸すことで何らかの利益を得ている土地」です。
底地の所有者を地主、土地を借りている人を借地人といいます。
地主は、「借地人に土地を貸して地代を受け取る権利」や「契約更新の際に借地人から一定のお金をもらえる権利」を有します。
アパートなどの賃貸物件では初期投資や管理費用などが必要ですが、底地の管理は借地人が担うので、地主に負担はかかりません。
さらに、固定資産税や都市計画税の軽減措置が受けられるのもメリットの1つです。
200㎡以下の小規模住宅用地であれば、固定資産税は固定資産税評価額の1/6、都市計画税の1/3が減税されます。
200㎡超の一般住宅では固定資産税は固定資産税評価額の1/3、都市計画税は2/3の減税です。
借地権には契約期間が設けられており、その期間中はたとえ地主であっても土地を自由にできないデメリットがありますが、買い主が見つかれば売却できます。

1-2.借地

借地とは他人から借りている土地です。
借地権があり、借りた人がそこに建物を建てるなど、土地を利用する権利です。
借地権には「旧借地権」、借地借家法による「普通借地権」と「定期借地権」の3種類があります。
旧借地権は期限は決まっていますが、更新による延長が可能です。
契約期間は木造などでは30年(最低20年)、その後20年隣、鉄骨や鉄筋コンクリート造の場合には60年(最低30年)更新後30年です。
普通借地権も期限は決まっていますが更新により延長できます。
契約期間は構造に関係なく30年・更新の際には1 回目が20年・以降は10年です。
定期借地権は契約期間の更新がなく、一般定期借地権と事業用定期借地権・建物譲渡特約付き借地権の3種類があります。

2.底地や借地の購入時に発生する税金

底地や借地を購入する際に必要な税金は以下のとおりです。

・不動産取得税
・固定資産税
・都市計画税

不動産取得税は、建物が立っている借地を購入する際に必要な税金です。
借地に建物が建っているか建物を建てた場合、不動産取得税がかかります。
ただし、すでに建っている建物の場合は中古物件のため、固定資産税評価額より控除額を差し引いた額に対しての税金がかかります。
固定資産税は土地の所有に対して毎年課せられ、都市計画税は都市事業や区画整理に当てられる地方税です。
地方税は都道府県が徴収し毎年4月〜6月に課税されるため、その年の1月1日時点で登記簿上不動産を所有している人か課税対象です。
年の途中で所有権が移転した場合には売り手がすべての税金をすでに納めているため、契約書上で精算の方法を決めておきましょう。
ただし、固定資産税や都市計画税は不動産取得税と同様に借地にはかからず、建物のみに課税されます。

2-1.底地や借地の売却時に発生する税金

底地や借地を購入した時にも税金が課税されますが、売却した際にも税金が必要です。
ここからは売却の際に発生する税金を解説します。

2-2.登録免許税

借地や底地を売却した際に課税される税金の1つに登録免許税があります。
不動産を売却した事実を登記簿に登記するために必要で、売却だけでなく、所有時や抵当権の抹消の際にも用いられる税金です。
納付方法は金融機関等で現金納付をおこない、その領収書を登記申請書に添付し法務局へ提出します。
3万円以下の場合は金額分の収入印紙での提出です。

2-3.印紙税

印紙税は、売却の際に必要な売買契約書や証書・受取書などの書類作成の際に必要な税金です。
印紙税の納入は、収入印紙に消印を押印しなければいけません。
売買契約書に収入印紙を添付し、その収入印紙への消印の押印によって納付が完了します。
収入印紙は契約書の枚数分必要なため、数に応じて準備しましょう。
万が一印紙税を忘れたり金額不足の場合には、のちに3倍の金額を支払わなければいけません。

2-4.譲渡所得税

譲渡所得税は、不動産の売却によって得た利益に対して課税されます。

所有期間 区分 税率
5年以内 短期譲渡所得 所得税30.63%+住民税9%=39.63%
5年を超える 長期譲渡所得 所得税15.315%+住民税5%=20.315%

借地権の譲渡によって得た譲渡所得(不動産の売却価格から取得費と譲渡費用を引いた金額)には所得税と住民税が加算されます。
取得税は不動産購入価格に諸経費を加えたものから建物の減価償却費用を差し引いた金額で、借地権の場合に借地契約料や更新料・増改築の承諾料などが取得費です。
譲渡所得税は建物の所有期間によって変わり、5年以上であれば譲渡所得に対して所得税15%・住民税5%の合計20%です。
5年以下の場合は譲渡所得に対して所得税30%・住民税9%の39%がかかります。

2-5.消費税

借地や底地の売却では、消費税が必要な場合とそうでない場合があるので注意しましょう。
消費税が必要なケースは、事業者による売却と借地上の建物の売買です。
事業者による売却の際には、測量や買い手探し・買い手との交渉をおこなう必要があり、そのサービスに対して支払う手数料や報酬に消費税がかかります。
消費税は事業者に対して課せられる税金のため、個人間売買であれば課税されません。
また、消費税は商品やサービスのような消費されるものに対して課せられ、消費されない土地には不要です。

3.底地や借地の譲渡所得の控除や税金対策

底地や借地の譲渡所得税は控除の対象です。
譲渡所得が3,000万円以下の場合には譲渡所得税が免除になる「3,000万円特別控除」が利用できます。
これは住居用財産を売却した際の特例として設定されたもので、所有期間の長さに関係なく最高3,000万円までの控除を受けられ、借地権を売却した際にも適用されます。
計算式は、課税譲渡所得金額=不動産の売却代金ー(取得費+譲渡費用)ー3,000万円となっており、譲渡所得が3000万円以下の場合には納税額が0円です。
控除を受けるためには、確定申告をおこないましょう。

4.底地や借地を売買する際の注意点

底地や借地は売買が可能ですが、いくつかの注意点があります。
それらをしっかりと理解していないと、トラブルの原因となる場合があるので注意が必要です。
ここでは、底地の売買・借地の売買の際の注意点を説明します。

4-1.底地を売買する際の注意点

底地を売買する際は、トラブル回避のために書類関係をしっかりと確認しておきましょう。
売却のフォローをおこなう不動産会社は、公正証書や借地契約をもとに売却価格を決定するため、底地の売買には書類の有無がとても重要です。
書類の不備や紛失により売却が難しくなる可能性もあるので注意しましょう。
契約の残存期間や建物買取請求権の有無も買い手にとって重要な項目のため、売買までに確認しておいてください。
また、底地を売却する際には借地人に声をかけましょう。
なぜなら、一番該当物件を購入する可能性が高いのは借地人だからです。
土地の購入で、毎月の家賃の支払い義務がなくなり、土地を所有できるので建物の資産価値も上がります。
売却により、借地人とトラブルが起こるケースもあるため、いずれにしても話し合う必要があります。
底地は、土地を自由に活用できない他、借地人とのトラブルの可能性や担保に融資を受けられない点から、売却しにくい可能性も考慮しましょう。
売買では、経験のある不動産会社に仲介を依頼すると安心です。
契約を締結する際は、トラブル回避のためにも借地人も同席し、そのまま新しい賃貸借契約を結ぶとスムーズです。

4-2.借地を売買する際の注意点

借地の売買では、譲渡承諾料や売却後の地代に関するトラブルが多い点に注意をしましょう。
一般的に借地権付きの建物の売却時には、借地契約の内容を新しい買い主が引き継ぎます。
しかし地主によっては再契約をおこなうと考えている場合もあり、「地代の値上げが条件である」と主張するなど、認識のズレがトラブルを起こす可能性があります。
地主が借地権の譲渡を承諾した旨を証明する書類である「借地権譲渡承諾書」を作成しておくのも、トラブル回避には有効です。
借地権の所有者は借地権を第三者に売却が可能ですが、無断で第三者に売却がおこなわれた場合には、地主とのトラブルの可能性があります。
意見の食い違いなどが生じるおそれもあるので、譲渡承諾書を作成しておくと安心です。

5.まとめ

底地とは地主が所有している土地を指し、借地とは地主から借りている土地です。
購入には不動産取得税や固定資産税、都市計画税がかかり、売却には登録免許税や印紙税などが必要です。
節税するためには確定申告をおこなわなければいけません。
売買の際には書類をしっかりと確認するなどトラブル回避に努めましょう。



 

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